六月二十六日に明らかになった道内二十四信金の3月期決算によると、「株式や債券などの有価証券価格の大幅下落や、深刻な不況に伴う取引先の倒産増加が響き」(6月27日付『北海道新聞』第9面〈経済〉)、八信金(伊達、北門、紋別、江差、空知、函館、小樽、北空知)が純損益赤字を計上した。
このうち五信金(伊達、北門、紋別、江差、北空知)は、業務純益・経常損益・純損益ともに赤字で、北海道信用金庫協会は、「道内の経済、金融環境は昨年度よりも厳しく、信金経営にとっては本年度が正念場になる」(同新聞)と見ている。
純損失額が最も多い伊達信金(本店写真は、同信金HP<店舗のご案内>から転載)は、「経営体質の強化を図り、地域金融機関として確固たる経営基盤を構築」(平成18年11月1日付「北海道財務局長談話」<北海道財務局HP >)するため、昨年一月に室蘭商工信組と対等合併したにもかかわらず、二年連続赤字(今期は三十五億円を超す純損失)を免れなかった。 同様に、二年連続赤字(今期は、二十八億円を超す純損失)の紋別信金(本店写真は、同信金HP<店舗ネットワーク >から転載)は、厳しい道内金融環境を乗り切るため、三月三日、久慈理事長と北見信金・池田理事長が記者会見(写真は、3月4日付『北海道新聞』第9面〈経済〉から転写)を行い、「11月をめどに対等合併すると発表した」(3月4日付『朝日新聞』第29面〈道内〉)。
六月の両信金通常総代会で対等合併が決議されたが、実質的には北見信金による紋別信金救済であり、今後、疲弊した地域経済の活性化や地元中小企業への円滑な資金供給ができるかどうか。3月期決算で、旭川・帯広・札幌の各信金に次いで、預金残高が四位となる北見信金トップの経営手腕が問われる。
最近の「社 会」カテゴリーもっと見る
最近の記事
カテゴリー
バックナンバー
人気記事