世界第二の経済大国となって、1920年には米国の国内総生産(GDP)を越える可能性もある中国は、資源を求めて宇宙への進出に強い意欲をたぎらせている。昨年十月一日の国慶節に打ち上げに成功した月探査衛星「嫦娥2号」は、「国威発揚の愛国宣伝という政治的任務を担うとともに、中国の宇宙開発戦略の要」(10年10月3日付『讀賣新聞』第9面)であり、中国の宇宙開発技術は既に、宇宙ステーション建設から有人月面探査を行う域にまで到達していると思われる。
国威発揚と資源獲得という、中国の宇宙開発両面政策は着々と成果(宇宙開発計画=写真下段<左>は、同新聞から転写)を上げ、月における将来の資源獲得競争で国家権益を確保することを堂々と公言している。
この十一月三日未明に無人宇宙船「神舟8号」(「神舟8号」を積んだロケットの発射=写真下段<右>は、11月4日付・同新聞・第7面から転写)が、九月に打ち上げた中国初の無人宇宙実験室「天宮1号」とのドッキング実験に成功(ドッキングの映像=写真上段は、同日付『北海道新聞』第5面から転写)したことは、中国による大型宇宙ステーション建設の大きな前進を証明している。月の資源獲得(核融合発電の燃料となるヘリウム3など)もさりながら、中国が進めている弾道ミサイル迎撃システムや衛星監視システムの整備など、宇宙技術の軍事的開発も、中国の経済成長が順調に進めばの話だが、今後、日米欧露の脅威になることは間違いない。
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