<上海総合株式指数と信用取引の推移>
※ 上掲画像は、いずれも「産経ウェブニュース 2015.7.4. 10:00」から転載。
中国経済総差配人の習近平(シーチンピラ)が自信たっぷりに推し進めてきた株価引き上げ策が、ついに破綻を来した。共産党中央の指令下に置かれている中国人民銀行は、総差配人の号令一下、昨年11月以来4度の利下げを断行し株価を吊り上げてきた。さらに、利下げと相まって、上海と香港の株式相互取引による上海市場への海外投資家の呼び込み策が、株価の暴騰に拍車をかけたと言われる。
中国は統制経済の国家だから、濡れ手に泡の政策でうまくいくと考えたのだろうが、そうは問屋が卸さない。利下げによって、中国の証券売買の中心をなす個人投資家が証券会社から金を借りて株式投資する信用取引が膨張し、株価を引き上げた。しかし、取引の爆発的急増で、バブル相場加熱を危惧した習近平が規制を強化するやいなや、動揺した多くの個人投資家がパニック売りに走り、たちまち、上掲線グラフが示すごとく「信用取引量の急激な縮小=株価の加速度的下落」と相成った。
こうなると、海外投資ファンドの逃げ足は速い。 バブルとみるや、いち早く売り逃げて巨額の売買益を手中にし、上海から引いた。
6月5日に 5000 ポイントを超えた上海総合株式指数は、7月8日に 3500ポイント余りまで急落した。習近平は人民銀行や証券監督管理委員会に命じ、矢継ぎ早に「メンツを懸けた対策」を打ち出し、9日以降、それが一応は奏功しているように見えるが、打つ手は更なる利下げの連発しかないので、事態は深刻だろう。実体経済の成長にそぐわない株価引き上げ策が失敗したことは明らかである。