北海道教育大学釧路校書道研究室から三月恒例の「卒業書作展」の案内ハガキが届いたので、三月三日に鑑賞に出かけた。鑑賞などといっても私たち夫婦は二人とも書道には全くの素人で、作品の評価の基準もなにも持ち合わせていないが、それでも、学生たちのあふれるばかりの気概を十分に感じ取ることができた。
多くの作品の中から、独断と偏見でもって三作品を選んでみた。まずは板林正子さんの「臨 李太白憶旧友詩巻」 コメントにあるように、「木の枝に吊された蛇」に例えられた書を蛇の気分で書いた雰囲気が出ているのが興味深かった。
第二は、中村純平君の「創作『蚊龍得雲雨』」を選んだ。『三國志』は私の愛読書でもある。数多の英雄が「龍が雲を得て力を発揮する」という字句に相応しい、堂々とした力強い運筆に感心した。
第三は、板林正子さんの「創作『憶舊遊寄焦郡元參軍』」。この作品は「臨 李太白憶旧友詩巻」の冒頭部にあたるはずだったというから、黄庭堅風に書きたかったという板林さんの気持ちは分かるが、卒業書作展全体としてみると変化があって、この字形でよかったのではないかと思う。良く出来ている。
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