タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 中華人民共和国「バブル崩壊」≫

Photo 米国サブプライムローン問題に端を発した金融危機及び実体経済の減退は、今や全世界に波及し、いっとき盛んに説かれたデカップリング論は鳴りを潜めた。
 そもそも、高成長を謳歌してきたとはいえ、中華人民共和国・ロシア共和国・日本・東南アジア諸国の金融や経済が、米国の経済危機を吸収し、なお発展を続けるなどという発想自体が幻想に過ぎなかったのだ。
P1000696 九月十五日のリーマン・ブラザーズの経営破綻による米国金融危機は、これまで経済を牽引してきた輸出・製造業を直撃し、「中国政府が二十日発表した七─九月期の国内総生産(GDP)の実質成長率は9.0%と、10%の大台を割り込み急減速」(10月21日付『北海道新聞』第10面〈経済〉)という事態を招来した。
P1000657 貿易依存度の高い広東省は、特に影響が大きく、製造業の大型倒産が発生し、シンガポール・香港・上海に次いで世界第四位の深圳市のコンテナ港(夜景写真は『ウィキペディア』から転載、港の写真は10月21日付『讀賣新聞』第3面〈総合〉から転写)も輸出が鈍化している。
 米経済誌『フォーブス』は十月末に、輸出不振に加えて、株式市場の暴落や不動産市場の低迷で、「2008年中国富豪番付に名を連ねた富豪400人の資産総額は、昨年に比べて45%も減少した」(11月8日付『讀賣新聞』第6面〈国際〉)と発表した。いくら隠そうとしても、バブル崩壊は明白である。政府は、比較的高い経済成長を維持するために、今後三年間で五十七兆円に及ぶ公共投資を行い「内需拡大を図る」(11月10日付『北海道新聞』夕刊・第7面)景気刺激策を公表したが、さて、その効果は如何。<あてごととふんどしはむこうからはずれる>と俚諺にあるように、十四日から米国で開かれた<金融サミットG20>向けのアピールで終わらないとも限らない

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