<三省堂はなぜ日本史の年月日表記を誤るのか> 今月 14 日投稿の記事では、山川出版社の高等学校日本史教科書における「西暦年+和暦月日」結合の誤例を提示したが、今回は、井上光貞・監修/三省堂編集所・編集『三省堂 日本史小事典』(三省堂、1983 年)を取り上げる。<正しい和暦・西暦表記> 大政奉還 和暦・慶応三年十月十四日=西暦・1867年11月9日 王政復古 和暦・慶応三年十二月九日=西暦・1868年1月3日 三省堂では、せっかく家永・日本史教科書で正しく西暦年月日と和暦年月日を併記しているのに、なぜ小事典で山川出版社と同じ誤りを犯すのか。誤りの根元は、斯界の大御所、監修者の故・井上光貞氏にあるのではなかろうか。「斯の人にして斯の疾有り」と謂うべきか。