タックの庭仕事 -黄昏人生残日録-

≪ 太田農水相辞任に関する所見 ≫

P1000155 9月22日に自民党の麻生・新総裁が決まり、24日に新内閣が発足した後に、19日の「太田農水相辞任」(写真は、9月20日付『讀賣新聞』第1面から転写)ではいかにも間が抜けているが、投稿するつもりで画像を挿入していたので、予定どおり所見をまとめて投稿することにした。
 内閣総辞職目前の太田氏の突然の辞任は、実際は、政府が、現内閣で不祥事にけりをつけるため、更迭のタイミングを見計らっていた結果だろう。
 問題は三点ある。
 第一は、太田氏の大臣としての資質の欠如。大臣就任直後に、秘書官の自宅を事務所として届け出て事務所費を計上していたことが露見したり、「日本の消費者はやかましい」発言が飛び出したりで、先行きが不安視されていたところに、事故米の不正転用にかかわる「じたばた騒いでいない」発言である。これでは大臣は務まらない。
 第二は、福田首相の人物を見る眼識である。太田氏は衆議院福岡3区選出で当選8回だそうだが、当選回数ばかり多くても、政治家としてのまっとうな識見を持っていなければ、ただの無駄飯食らいだろう。首相が任命責任を問われるのは当然である。
 第三は、農水省の役人の無責任。大臣もお粗末なら事務次官も輪をかけてお粗末である。農水省は一年以上も前から不正情報を入手しながら放置し、白須事務次官は、11日の記者会見で、白々しく「私どもに責任があると今の段階では考えていない」(9月20日付『朝日新聞』第1面)と発言し、与野党から顰蹙を買った。
 福田・前首相と同様に、いかにも重みのない麻生首相をトップとして、碌でもない政治家と役人が日本国の行く末を決めるかと思うと、佐藤栄作首相退任後の、過ぎ去りし三角大福中がいかに活力にあふれていたか、その政治力を懐かしまざるを得ない。

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