鈴木英一・北海道開発局長は、2日の首相発言を受けて、3日の記者会見で、開発局と道との統合について、「これまでの機能が担保され、統合が効率的ということであれば十分に考えられる」(7月4日付『讀賣新聞』第31面〈道総合〉)と発言した。
官僚として優等生の発言であり、正論だ。地方分権という国の行政改革の趣旨に添えば、統合阻止の考えは出てくるはずがない。開発局廃止論者の猪瀬直樹・地方分権改革推進委員が、「権限と財源と人を一括して移譲することが分権の原則」(7月4日付『北海道新聞』第3面〈総合〉)と強調するのと結果は同じである。当然といえば当然の見識だろう。
猪瀬委員は、「建設業界のためだけに惰性の公共事業を続けていては、官依存体質は今後も変わらない」(7月17日付『北海道新聞』第1面)と断言している。高橋はるみ知事の「最低決断をしてから十年は必要」(7月16日付『北海道新聞』第4面〈総合〉)では、何もしないのと同じことである。
伊東良孝・釧路市長は、「政府としては、まだ国の出先機関である地方支分部局の廃止を決めたわけでない。マスコミが先走って、というか、勝手に思いこんで書いている」(7月15日付『釧路新聞』第1面の<釧根緊急インタビュー>)と述べているが、認識が甘いのではないか。地方分権改革推進委員会の勧告が、そのまま通るとは思わないが、8月の中間報告に盛り込まれる「開発局廃止勧告」「国交省北海道局も廃止」という委員会の判断は、軽いものではない。
鈴木宗男・衆議院議員は、「開発局ほどコンパクトで効率のよい組織は他にないですよ」(7月16日付前掲新聞)と旧来の自説を開陳しているが、開発局がそれほど効率的な組織なら、なぜ北海道は未だにインフラ整備が遅れているのか。
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