ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

Y先輩が来社

2011-09-18 10:24:14 | 撮影
Y先輩が来社された。以前のブログで勝手に紹介させて頂いた、AYH-3の模型を製作した、その、お人である。

Y先輩にそのブログを見せたところ、Y先輩から正式に、AYH-3の模型を販売する許可を頂いた。

非常に精密に作り込まれた、その機体サイズは50クラス専用である。

基本的に受注生産で、フルコンプリートとして販売したい。
販売価格については、搭載するフレームにより変動するので、価格・納期については、お問い合わせをお願いしたい。

そのY先輩から、先日来、空撮機(キャリバーZG)に搭載している、DJIの不具合に付いて、度々電話で問い合わせを頂いていた。

しかし、その説明が意味不明で(失礼)・・どうも的を得ない。弊社(私には)では、何を言っているのか?その内容が理解が出来なかった。

その話の中で、唯一解った事は、AUTOでフライトさせると操縦不能になる?・・・と言う事であった。

何だか訳が解らないが、兎に角、非常に危険な状況である事だけは、理解ができた。
購入先にも問い合わせたが、解らなかった・・との事ではあったが・・・あの説明では・・・・・
ある意味納得した(失礼)。

従って、私は、一度持参して欲しい・・・実際に診ないと判断も出来ないから・・・と言う事で、今回のY先輩の来社となった。

Y先輩には、予め泊まりで来て欲しいとお願いしていた。久しぶりに電話を頂いて、懐かしかったし、私を頼って来て頂いて、本当に嬉しかったのである。

なので本当は、DJIの不具合の事は二の次で、どうでも良かった・・・。

唯、久々に一献を傾けたかったのである。
(この事は、Y先輩には内緒である。・・・このブログを見られたら・・・どうしよう・・)

Y先輩とは、以前産業用無人ヘリコプターの業務を一緒に行なっていた、言わば元同僚である。

互いに産業用無人ヘリコプターの指導員としてスクールを開催し、日本全国へ一緒に赴いた仲である。

夜には、久しぶりに、一緒に美味い酒をのんだ・・・。昔話に花が咲いた事は、言うまでもない。

話を元に戻そう。

今回、問題になっている機体は、無人ヘリコプターのスペシャリストでもある、そのY先輩の機体・・・である。

繰返すが、以前産業機の整備も行なっており、その姿勢制御関連にも精通しているスペシャリストの所有する、
空撮用の機体である。



早速弊社で、その持ち込まれた機体を診た。各部のチェックをして行く内に、直ぐに大体の察しが付いた。

そもそも、DJIの不具合には、大別して3通りあると・・私は個人的に考えている。

その、一つ目は、DJI自体の不具合。(初期不良・故障等)・・・精密な機械ものなので、その可能性は当然有る。
二つ目は、DJIの調整不良に起因する、不具合。・・・設定・調整で改善出来る。
三つ目は、DJIのインストールに係わる、不具合である。・・・各ユーザーが思い思いに、それぞれの手法で取り付けしているので、その不備に起因するトラブルが多く、その原因究明には、かなりの時間を要する上に厄介である。

他にもあるじゃないか・・と、言われそうだが、機体自体の振動や、その整備不良(組立・調整不良を含む)は
論外で、そもそも、その様な機体には、DJIを取り付ける事が出来ないので、ここでは除外している。
あくまでも、機体側に何ら問題が無い状態で、初めてDJIを搭載する事が可能で、その事が必要最低限の条件でもある。

それから、配線がカーボンフレーム等のエッジに接触しており、何れ断線する危険性があるもの等、危険をはらんでいる搭載事例は、数えればきりがない。

今回の事案は、三つ目のDJIのインストール(機体への搭載)に係わる不具合であった。
因みに、弊社での検査の結果、10分程度で、その問題は解決してY先輩に喜んで頂いた。

私も、お役に立てて嬉しかったし、原因が解明できてホッとした。

何よりも、原因が解らなければ、夜の酒も不味くなる・・なんてね(*´∀`*)

しかし、この現状を考えた時、喜んでばかりもいられない・・・。プロ中のプロがやっても、そのような状態なのである。それを、一般のマニアや制御に精通した人間以外の人(殆んどの人が、その範疇だと思われるが・・・)
が、行なっているとしたら、背筋が寒くなる。


今から遡ること数年前に、韓国のKさん経由で日本へ初めてDJIが輸入された時、弊社では、その取り扱い説明書を翻訳した経緯があり、輸入当初からDJIに携わって来た。

それは、膨大な量の翻訳であったが、その後も、DJIの幾つかのタイプ(製品)に於いて、辞書と首っ引きで日本語マニュアルを苦労して作った(翻訳した)。

その時は、血気盛んな空撮業者数社が、私の翻訳したマニュアルを基に、機体に搭載し、テスト的にその運用を開始したのである。

最初に、そのオリジナルのマニュアルを見た時は(翻訳した時)、説明が大雑把だな~・・と感じた。果たして、万人がこんな説明書で正確に取り付け・調整が可能なのか?・・又、安全に運用する事が可能なのか?・・・と疑問にも思った。

その思いは、現在でも変わりないどころか、色々な事例を見る度に、それは益々、日増しに強くなっている。

現に今回の様に、超プロフェッショナルで、沢山の経験を積んでいるY先輩をもってしても、難解で説明不足の取扱説明書だけでは、正確に機材を搭載できる訳もありませんね。
(※因みに、その説明書には重大な瑕疵が有りましたが、私が訳したものではありません。念の為。)
※因みに、現在の取扱説明書は、どんどん簡略化されていて、より難解になっている箇所もあります。

そんな訳で今日現在、日本でのDJI製品の販売に於ける形態・手法は、基本的に多くの運用上の危険をはらんでいる様に思うのです。

そうは言っても、弊社も現在では、日本のDJI正規代理店の傘下で、その販売業務及びサポートの一端をになっています。

この様な現実を踏まえて、何か他に、それをカバーする手立てを、真剣になって講じなければならない・・・・
その必要性を感じるのは、私だけでしょうか?

では・・どうするのが良いのか・・・?ここで少し、その事に付いて考察をしてみたいと思います。

まず、基本的には、メーカー(DJI自体)が、そのディストリビューターに対し、技術講習会を開催する義務があると考えます。・・それ程デリケートで、ハイレベルな特殊な装置なのである。
 
 又、その技術講習会を受講し・試験に合格した、ある程度の専門知識を修得したディストリビューターのみが販売出来る様にする事が必要だと考えます。

それから、今回の様な事例もある事から、基本的には、取り扱いや販売を許可された有資格者が、コンプリートで機体を制作・販売する事が必要ではないか・・?と言うことです。(納入後のアフターサービスも含む)

それから、安全に運用する為に、日本のDJI正規代理店主催で、購入したユーザーに対しても、定期的に講習会を義務付けて実施すべきでは無いだろうか?

唯の模型ではないのである。模型のノリでの安易な販売や、取り扱いには注意が必要では無いだろうか?