ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

全天候型のラジコンヘリ???

2011-09-26 17:48:27 | マテリアル
全天候型・・・・と言う訳ではないのですが・・・・今日は翻訳にも飽きたので、気晴らしにPP板から
IMUのカバーを半ばパロディーで製作して、取り付けてみました。

半分思い付きで、急遽製作したモノで、制作した型がイマイチで実際に使用する為には、
再度作り直す必要が有ります。

しかし、GPSのカバーも一緒に製作すれば、少しくらいの雨なら飛行出来る様になる?・・・
まさかね~(〃▽〃)

Wingさん、需要ありそうですか~(*´∀`*)

それから、最近DJIのAceOneを販売している総代理店や、それを使用しているユーザーから、
IMUの搭載位置に付いての相談や、その搭載位置の適所の検証を求められた事もあり、
半ばパロディーの防滴カバーを製作する次いでに、試しに、防振マウントも一緒に製作してみました。

弊社では、防振マウントが無くても、機能上、特に問題となる事は有りませんでしたが、
長期間使用する事を考えると、ガソリンエンジンを搭載した機体では、最初から防振マウントを
取り付けた方が良さそうです。薄い両面テープでは防振出来ませんから・・・(゜Д゜)

DJIの製品は、カナリ精密に作られていて、高度な制御を行なっていますので、
流石に、模型のノリでは使用出来ませんネ。

防振マウント取り付け後に、エンジンを掛けた状態で、防振マウントを介して取り付けたIMUの振動と、
機体自体の振動を手で触って比較して見ました。

結果は、大成功でした。殆どIMUに振動が伝わっていません。

それまでは、時々離陸時に白いLEDがフラッシュしていましたが、急激に高度変化が起きる為に、
LEDが白くフラッシュするのだろう?と・・・勝手に決め込んでいましたが、
どうやら・・・そうでは無いようです。

今回試作した防振マウントを装着した機体では、LEDが白くフラッシュする事は皆無になりました。

防振マウントの他は、何も変えてないので、それが功を奏したものと判断しています。

LEDが白くフラッシュするその理由は、エンジンの回転が一定する迄の過程で、機体の振動係数が変化し、
それが原因でIMUが共振します。

その結果、IMUが拾った振動が、機体の揺れに起因するものか?それとも振動に因るものかの判断を、
メインコントローラーが判断出来ない為に、一時的にエラーを発生させていると推測します。

今回の結果から、一度、どの位の周波数で(振動で)揺れているのか、機体自体に振動センサーを付けて
計測して見る事も大事かな・・・と思っています。

何事もカンに頼っていては、正確な原因は解明出来ませんからネ。

次回は、弊社で実際に業務で使用しているカメラに付いてお話したいと思います。

フェリーに乗って島へ

2011-09-26 04:13:43 | 撮影
過日フェリーに乗って、瀬戸内海のある島へ撮影に行った。

その目的は、あるテレビ番組のロケである。

その日の天気は・・・日差しは良好だったものの、強風波浪警報が発令されるほど風が強く、
とても飛行できる状態では無かったのだが・・・その状態は、さしずめ、冬の日本海・・・と言えば、
大体その状況を想像していただけるだろうか?

フェリーに乗って島へ向かっていた時も、度々大波がフェリーの舳先に強く当たり、その抵抗で、
それが一瞬止まったかの様な状況が、何度も有った程でした。

テレビ局のスタッフの方々にも、こんなに風が強いのですが、本当に、今日は飛べるんですよね~・・・?
と、何回も言われてしまいました。

今日は飛べるんですか?ではなくて、ですよね~・・・?です。この違い、皆さん解りますか~?(´;ω;`)


兎に角、行ってから判断しましょうと、その場は答え、島へ上陸して状況を確認しましたが、
風上側の海岸を撮影したいとの事で、風も唯強いだけでは無く、荒れており、
通常ではとても撮影など出来る状況ではありません。

しかし、そこで撮影出来ないと、番組そのものが成立しないと言うような雰囲気が、
ヒシヒシと伝わってきました。

又、漁期の関係で、一年中でその日にしか、撮影できる日が無いことを知らされ、
ガゼン緊張感が増してきました。

業務で撮影をしていると、飛びたくなくても、飛ばなければならないと言う状況が、度々あります。

勿論、その状況でも、エイヤーで飛ばす訳では有りません。

充分とは言えないまでも、墜落させない様に配慮する事は勿論ですが、仮に墜落した時の事も考慮に入れて、
最悪でも他に被害が及ばない様に、飛行経路等を決定します。

勿論、全て言われるままに、飛行させる訳では有りません。

撮影の為なら、何時でも何処でもフライトさせる・・?と言う様な事や、オペレーターの技術レベルが
低い場合には、その危険性にすら気が付かないままに飛行させて、事故を起こしてしまう場合がありますが、
弊社では十分なスキルをもったオペレータが、理詰めで総合的に判断して、飛行の可否を決定しています。

当然、危険な場合は、如何なる場合で有ろうと撮影を中止します。
(勿論、クライアントの皆さんに納得して頂ける様に、お願いを致します)



風の状況も、その地形や時間に因って、刻々と変化します。危険を伴う事が予想される場合は、
その場所には近づかない様にします。しかし、その地形の判断には非常に難しいモノがあります。

その理由は、地形の状況如何で、風が局地的に吸っている場所と、吐いている場所があるからに
他なりません。

風の強さにも因りますが、吸っている場所では、そこそこへりにパワーがあったとしても上昇出来ませんし、
吐いている場所では、ピッチを抜いてもヘリは下降できないばかりか、上昇が止まらない場合が有ります。

その場合は、一瞬で判断し、そのポイントから比較的安全な場所へ、少しでも早く抜け出すしか、
助かる方法は有りません。

しかし、ロケーションに因っては、そのポイントから早く抜け出したくても、抜け出せない場所や、
想定を超えた風が吹いている事もあります。

その状況の判断は、その状況を何度も経験しないと出来ませんし、
それどころか、何度も経験しているにも係わらず、その事が出来ない場合も多いのです。

幸い私の場合は、標高1000m以上のアルプスの山間部でも、数多く撮影してきた経験があり、
その時にも、もその経験が大いに役立ちました。


兎に角、軽い機体いです。総重量が14Kg程度しかないのです。

強風下のラジヘリのフライト状況は、さしずめ、台風の中、大海へ手漕ぎボートで漕ぎ出し、
浮かんでいる様な状況と、同じだと思います。

以前、堀江さんと言う方が、太平洋をヨットで横断したとの報道が有りましたネ。
私も実際に、金比羅さんへ行った時に、そのヨットを見た事があります。

ビール缶で作られたヨットを見た時、よくこんなヨットで太平洋を良く渡れたものだと、その時は思いましたが、成功の理由は、相当なスキルと的確な状況判断・忍耐に他ならないと思います。

唯の思いつきでは、とても成し得ない偉業だと思いました。

ラジヘリでの撮影を生業とする事は、色々な事に神経を使う事が多く、その道は大変でも有りますが、
私も、大いにそれを見習って、今後も無事故を継続したいと思っています。

しかし、趣味でラジヘリを飛ばしてた頃は、こんな事・・思いもしなかったのに・・・
そして昔は、楽しかった・・・

PS : この模様は、最初四国ローカルで放送されましたが、その後、全国版でも放送されましたので、
ご覧になられた方も、いらっしゃるかも知れませんね(*´∀`*)