ラジヘリ空撮

空撮用マテリアルの開発状況に係る情報発信や、現場での出来事及び、日常の情報発信を致します。

業務用の機体強度に付いて・・・パート7

2012-02-11 05:56:11 | マテリアル
同じ様な話題で、何だかんだと言いながら・・・今回で7回目になる。

その話題も・・・何だか、タイトルとも多少のズレが生じて来てしまったのだが・・・。

前回は・・・優れた耐久性と高い組み立て精度が産業機には求められている・・・と、書いた。

それを、一部具体的に解説してみる事にする。


先ず・・・ピニオンギヤに付いてだが・・・。

通常、模型に使用されているピニオンギヤには、材料費が比較的安いS45C(鉄)が
使われている場合が多い。

このS45C・・・比較的加工もし易いのだが、そのままでは・・・錆びる。

それを防ぐ為に・・・表面処理を行なうのだが・・・通常焼き入れは行っていないので(多分)、
表面に色を付けている。

これを黒染めと言うが・・・錆びないように、表面に黒く色を付けているだけなので、
耐磨耗性と言う観点から見れば・・・あまり良くないのである。

また・・・焼入れをすれば、耐磨耗性は飛躍的に向上するのだが、そのままでは折角作った
製品の精度が狂ってしまう・・・要は・・・変形してしまうのである。

これを通常は・・・後工程の研磨で修正するのだが・・・複雑な形状のピニオンでは難しい。

要は・・・コストが掛かるのである。

だから・・・通常焼き入れは行なわない。


このS45Cでピニオンを製作しても・・・通常、模型レベルでは、全く問題になる事は無い。

まあ・・・磨耗したら・・・その時は、交換すれば良いのである。


処が・・・産業機では、これが問題となる。


弊社では・・・通常、年135時間程ヘリを飛ばす。

フライト回数にして・・・約1000フライトである。

通常・・・模型の世界では、コンテストに出場している人達が、年200フライト程度だと言うから、
その人達と比較しても・・・実に5倍ものフライト回数である。

年間200フライトすれば・・・通常機体には、結構ガタが来る。

でも・・・産業機の場合は、それでは困ってしまうのである。

そこで、大きな力が作用するピニオンギヤには、それなりの配慮をして
設計する必要がある。

この続きは・・・次回に。