ラジヘリ空撮

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使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・パート7

2012-03-27 00:01:00 | ガソリンヘリ
使用する機体(ヘリ)に最適なエンジンサイズの考察・・・と題して・・・今回で7回目。

前回・・・次回でこの話題は、おしまい・・・と告知しているので、今回は完結させない訳には
行かない。


しかし、そうは言ったモノの・・・どうやって纏め様か・・・?・・・全くプランが無い。


因って・・・摂り合えず・・・前回のおさらいをする。


前回までに、26ccエンジンのトルクが少し不足している事や、社外のガバナーとマッチングが
取れていない事などを投稿した。


DJIの制御系も・・・最初の頃は色々と、問題を抱えていたのである。


その耐久性にも・・・かなり問題があった。

急に制御が利かなくなって・・・肝を冷やした事もあった。


それらの問題を、暗中模索の中、試行錯誤しながら一つ一つ解く様に解決して、
現在に至っている。


ここで取り上げた話題も・・・その過程を述べたものだが、決して一朝一夕に得られた
情報ではない。



一方・・・社外ガバナーも・・・現在では新型にモデルチェンジしており、分解能が
2倍になって、その性能が向上している。


しかし・・・残念な事に、DJIの現行の制御系であるAceOneでは、ガバナーが
内臓されてしまった。


しかし、この内臓ガバナー・・・応答速度がGV-1レベルなのだ。

この内臓ガバナー・・・GV-1の時に使用した裏技は使えない。


そこで・・・AceOneユーザーで26ccエンジンをお使いの方は、スロットル制御に
不満が有る場合には・・・双葉製の新型のガバナーを使用しても良いだろうと思う。



しかし・・・これらガバナーの応答性に係わる事象は・・・最終的に29ccにエンジンの
排気量を上げた事に因って、現在では解決している。

強風時でもピッチ負けする事が無くなり・・・全て解決したのである。



これは・・・エンジン自体のパワーが向上している事も一因だが・・・主な要因は・・・
排気量が増えた事に起因して・・・トルクが全体的に太くなったからだと・・・勝手に考えている。


しかし、29ccエンジンを使用した場合には・・・このクラスの8:1付近の減速比では
・・・些かローギヤードの感が否めない。


その理由とは?・・・エンジンは・・・何処までも高回転で運転する事は出来ないからだ。



又また・・・車を例に採って話をしたい。

これは・・・ロングロングアゴーの頃の話である。

今は、乗用車の場合・・・オートマチックが圧倒的に多い・・・と、言うか、それしか販売して
いない車種も沢山あるので、オートマしか運転した事がない人も沢山いる事だと思う。


以前は・・・マニュアルミッションが全盛だったが、その・・・マニュアルミッションの話である。

マニュアルミッションは、黎明期の頃多分3速から始まり・・・4速・・・5速と推移して、比較的
馬力の大きいスポーツタイプの車では6速などと言う車も発売されていた。

では・・・このミッションの減速数は・・・はたして何を物語っているのだろうか?

その辺を・・・少し解説してみたい。


全国に高速道路網が整備され、車のスピードが要求される時代となった。

それに伴って・・・車のエンジンの排気量も馬力も向上した。

それまでの・・・3速や4速の車では、エンジンの回転が高くなり過ぎる傾向が顕著になった。


通常・・・4速時のミッションのファイナルの減速比は1:1である。

これは・・・エンジンの回転とタイヤの回転が同じである事を意味している。


馬力の小さなエンジンを搭載した車では・・・エンジンを高回転させてスピードを稼いでいた。


その様な減速比を用いないと、出力が上げられずにスピードが出せなかったのである。


しかし・・・これでは・・・エンジンの耐久性も無ければ・・・燃費も悪い。

その状態は・・・常にレースでもしている様なモノで・・・エンジンも直ぐに壊れかねないのである。


そこで・・・もっと低い回転数で同じスピードを出したい・・・と言う事になったのだろうと思う。

あくまでも・・・これは私の推論で・・・事実と異なるかも知れないのだが・・・多分、間違い無い。


皆さんはオーバードライブと言う・・・言葉をご存知だろうか?

これは・・・何を超えてドライブしているのか?


答は・・・4速ミッションの時よりも・・・より低いエンジン回転で同じスピードを出したいが為に・・・
エンジン回転よりも、タイヤの回転の方が高回転で回る様にする事なのだ。

これは勿論、エンジンの排気量UPに伴って・・・トルクが増えた為に可能になったのだが・・・
オーバードライブ(5速ミッション)を採用する車が多くなって行った。


この様に・・・車の使用用途やエンジンの性能に因って・・・減速比が決まるのである。

実際には・・・エンジンの性格に因って決定する・・・と、言った方が良いだろうか?



ヘリの場合でも・・・これと同様な事が言えるのだと・・・・私は考える。


29ccエンジンに改造した場合、明らかにパワーが上がるが・・・それ以上にトルクが向上する。

純正のギヤ比でこのエンジンを使用した場合には・・・明らかにローギヤードになってしまう。


要は・・・5速のマニュアルミッションの車で・・・3速~4速で高速道路を走っている様なモノ。

それでは・・・ただ無駄に回転が上がってしまう。

流石にそれでは、マズイ事が・・・容易にお判り頂けると思う。

エンジンの回転が上がり過ぎたら・・・早く5速にチェンジする・・・当然の行為である。



そこで・・・エンジンを29ccにした事に因るトルクUPに伴って・・・当然の様に、減速比も
再考する必要が生じたのである。


このクラスの平均的な減速比は・・・どのメーカーでも8:1付近に設定されている。


29ccのエンジンでは、トルクが向上している為に同じ減速比では・・・少々、
エンジンが回り過ぎる傾向にある。



ピッチ調整なども行なうのだが・・・それにも限界があるし、エンジンのトルクバンドも増えている。


そこで・・・ギヤ比の変更を試みた。


弊社では・・・減速比を7.64:1として・・・良好な結果を得ている。


これにより・・・エンジンを無駄な回転域で使用する事が回避出来て・・・エンジンだけで無く、
機体の耐久性も向上した。



この様に、実際に29ccエンジンをを使う場合には・・・喜んでばかりいられない事が多々ある。

実際には・・・カナリ細かな処まで踏み込んで・・・調整を施す必要があると考える。


業務用途で、機体にペイロードを掛けて使用する場合に限って言えば・・・有り余る
エンジンのパワーは百害有って一利無し。

又・・・パワーが有るからと言って・・・無暗にペーロードを掛ける事も・・・また然り。


産業機にその様なパワーで・・・機体に負荷を掛け続ける事は・・・絶対に避けなければ
ならない。


その訳は・・・エンジンの排気量が増えた事で・・・機体の各部に掛かるストレスが確実に
増えるからである。


その結果・・・機体の耐久性に影響を及ぼす事が・・・容易に想像出来るし、
事実・・・その様になるからである。



模型レベルでは・・・好きにやれば良いと思うが・・・業務用で耐久性を考慮すれば・・・NGだ。



従って29ccエンジンを使用した場合には・・・これまで以上に、機体の補強やメンテナンスを
行なう必要があるだろう。




それから・・・最近のAceOneでは、バーレスの設定も可能な事から・・・その機能を
使用している方もいる事だろうと思う。


実は・・・スタビライザーは、機械的ジャイロと言っても過言では無く、我々は長い事
その恩恵に預かって来た。

操縦安定性に・・・多大な効果をもたらして来たのだ。


しかし、最近では少し様子が変化して・・・日本のメーカーからもスタビレス用の制御系が
販売された事もあり、特に3Dの分野では・・・俄かに脚光を浴びている。


では・・・何故3Dの分野で、流行っているのだろう?



それは・・・クイックな舵の切れと・・・パワーUPにあると思われる。



空撮機などに使用する場合は・・・クイックな舵の切れは兎も角、簡単なパワーUPは
魅力的に映る。

操縦系統のリンケージも・・・簡略化できる。

また・・・マルチローターを使った時の様々な効果にも・・・期待できる。


但し・・・操縦性が犠牲にならない・・・と、言う・・・条件付での事だが・・・。


一般的にスタビライザーブレードを取り外す事で・・・20%~25%程度のパワーUPが
見込める。

逆に言えば・・・今迄のスタビ付きのヘットでは・・・舵が入る時や姿勢を修正する時に、
スタビライザーブレードが角付けされる事から・・・構造的なパワー損失があったと言う事だ。

それをパワーに換算すると・・・実に20%~25%程度のパワー損失が有ると言う。


ただ・・・スタビライザーブレードを取り外すだけで、20%~25%ものパワー損失が
無くなると言う事は・・・エンジンに如何こう・・・加工を加えるよりも・・・遥かに効率の良い
チューニングと言えるのでは無いだろうか?


私も・・・昔、制御なしで・・・随分スタビレスを研究した事がある。

その時に、少々疲れてパワーが落ちたエンジン機が有った。

その機体を・・・スタビレスにしてテストした時の話である。

実際に、飛ばしてみると・・・それまで疲れてパワーが落ちていたと思われたエンジンが・・・
実に元気良く飛んだ事を・・・この記事を書きながら思い出した。


弊社では現在・・・AceOne専用フレームを製作中だが・・・そのフレームでスタビレス
(バーレス)を試してみようと思っている。

そこで以前の経験を踏まえ、弊社では・・・敢えてその機体に・・・26ccのエンジンを搭載した。


多分・・・26ccで全く問題は発生しないと考えているからである。


ハイプロのN社長からも・・・バーレスローターのテスト依頼が来ている。

勿論・・・そのローターでテストを行おうと思っているので、良い結果が出たら・・・
また投稿したいと思っている。


ここで重要な事は・・・使用するマテリアルの・・・本質を見分けて、それを適正に取り扱う・・・
と、言う事に尽きる・・・と言う事だ。


例えば・・・レーシングカーは・・・パワーが有るから、運搬に使用しよう・・・などと
考える人はいないと思うし、例えその様な用途に使用してみても・・・使い物にならない事は
明らかである。


要は・・・適材適所。

決して・・・使用用途を・・・間違えてはいけない。



どうか・・・これらの機材を空撮等で使用する場合は、その危険性を十分認識した上で、
安全に運用して欲しいと・・・願うばかりだ。



そして・・・方や操縦技量の向上も非常に重要だ。

決して・・・日々の操縦訓練を疎かにしないで欲しい。


DJIの様な制御装置を搭載した機体を使い続けていると、その操作が熟練者でも緩慢になる。

因って・・・微小な操舵の必要も無い事から・・・その操舵感覚が麻痺して行くモノなのだ。


これが・・・所謂・・・制御打ちと言う操縦方法に・・・自分では気付かない内に、なって行くのである。


マニュアルでの飛行や、少なくてもオートローテーション位は、安全に行なえる様にしたいと思う。


その様な日々の研鑽こそが・・・緊急時に役に立つ。



産業機を取り扱う上での、注意すべき点や、その危険性に付いて・・・これまで述べて来たのだが、
ここに書き込んだ事が・・・このブログを御覧頂いている方の、これからの活動に於いての
ヒントや一助になる事を願って止まない。



今回で・・・この話題に付いては・・・一先ず、お開きとしたい。

又・・・この投稿について・・・何か、ご意見を頂ければ幸いです。



では・・・また。







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