前回は・・・BECに付いての・・・緊急提言(注意喚起)を行ったので・・・
業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート3は、お預けとなってしまった。
今回からは・・・話を元に戻して、マフラーに付いて考えてみたいと思う。
前々回の・・・業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート2では、
4サイクル用のマフラーと、2サイクル用のマフラーとでは、設計理論が根本的に異なっている事を
お話しした。
具体的には・・・4サイクル用の高性能マフラーを開発する場合は・・・間違いなく排気抵抗を
如何に軽減してスムーズに排気させるか?を・・・念頭に設計されている。
その上で・・・高速域を多用する場合と、低中速域を多用する場合とで、長さを調整して使用するのである。
方や問題の・・・2サイクル用のマフラーの場合は・・・如何なっているのだろうか?
パート1で・・・250ccのバイクで、マフラーを付けずに走ったら・・・パワーが全く出なかった・・・
と言う話しをしたと思うが・・・本当にそんな事が有るのだろうか?
その理由は・・・基本的なエンジンの構造にある。
でも、本当に・・・マフラーひとつで・・・そんなにエンジンの特性が変わってしまうモノなのか・・・?
もし・・・そうだとすれば・・・どんなカラクリが2サイクル用のマフラーには有るのだろうか?
以下では・・・当然、エンジンの構造も理解する必要がある事から・・・その辺のサワリだけ、
ここで確認しておきたい。
4サイクルエンジンでは、吸入・圧縮・爆発・排気を行っているので、全ての行程が
終了するまでにクランクシャフトが2回転する。
その事は・・・各工程が、独立している事を意味している。
方や・・・2サイクルエンジンでは・・・吸入・圧縮・爆発・排気の全ての行程が終了するまでに
クランクシャフトを、1回転させるだけで済ませてしまっている。
因って・・・一般的に4サイクルエンジンと比較して、2サイクルエンジンの常用回転数が
高い理由がここにある。
従って、エンジンが1回爆発する為に(燃焼行程)要する、工程数の違いから・・・
エンジンの名前の由来が・・・そこに有る。
以上の事からも・・・2サイクルエンジンの方が、少ない燃焼行程でエンジンを爆発させられるので、
一見、効率が良い様にも思えるのだが・・・。
しかし・・・実際には、この少ない燃焼工程にこそ・・・問題があるのである。
その問題とは・・・何か?・・・と、言う事だが・・・。
2サイクルエンジンの場合には・・・クランクシャフトが・・・僅か1回転するだけで
エンジンが爆発するのだから・・・吸入・圧縮と、爆発・排気を、ほぼ同時に行っている。
その上・・・実際には、次の工程に移る際に、吸入と排気のタイミングも・・・オーバーラップしている
時間があると言う事なのだ。
その理由は・・・構造上・・・ピストンがバルブの役目を負っているからに他ならないのだが・・・。
この様な2サイクルエンジンを・・・ピストンバルブと呼んでいる。
繰り返しになるが・・・そこに問題があって、十分な充填効率が得られないのである。
その理由とは・・・
ピストンが、バルブの役目も担っている以上・・・そのタイミングの設定には・・・自ずと限界がある。
従って・・・エンジンが一回爆発するだけなら問題は無いのだが・・・実際には
連続してエンジンは運転するから・・・問題が発生してしまう・・・と言う訳だ。
それは・・・吸入と排気のタイミングが・・・オーバーラップしている時間があるので、
次の燃焼行程に移る時に・・・爆発させる為に吸入された生ガスが、燃焼(爆発)する前に、
排気ポートから・・・先の工程の排気と共に、一緒に外へ出て行ってしまうのである。
一般的に、これを・・・吹き抜け・・・と、言うが・・・これでは爆発させる為に、
折角吸い込んだ混合気が・・・爆発しないまま大気中に放出されてしまい、
燃焼室に爆発するまで留まっていられない事から・・・酷く充填効率が悪いのである。
これが・・・2サククルエンジンの最大の欠点である。
実際には・・・黎明期の頃は色々な種類の2サイクルエンジンが存在し、違う構造のエンジンも
有った様だが・・・我々が現在、一般的にガソリンヘリで使用しているエンジンは・・・
この手のエンジンだと言う事なのだ。
他に・・・ロータリーバルブと呼ばれる・・・クランクシャフトに直結した、
円盤状のバルブを持つ構造の2サイクルエンジンもある。
こちらは・・・吸気タイミングを、ある程度自由に設定出来るので、レース用などの
一部の高性能エンジンでは常用されているのだが・・・あまり一般的ではない。
因って・・・充填効率を向上させる為に(混合気の吹き抜けを防ぐ)・・・何らかの仕掛けが必要となる。
そこで・・・マフラーに排気バルブの役割を担わせる事を目的として、
エキスパンションチャンバーが考案された。
勿論・・・後には、それらを改善する為の、色々な仕掛けが開発されたが・・・
あくまでも黎明期の頃の話である。
しかし・・・現在我々が使用しているガソリンエンジンは・・・その頃のエンジンと
基本的な構造は・・・然程、変わりないのである。
そんな訳で・・・私が考えるに・・・多分・・・マフラーを設計する場合の難しさからすると・・・
2サイクル用の方では無いか?と、考える。
まあ・・・それは・・・『出来の良い』エキスパンションチャンバー・・・と、呼ばれるマフラーの
場合に限るのだが・・・。
ただし、その手のマフラーは・・・ある回転域から急激にパワー特性が変化する傾向にあるので、
少々使い難い側面も持ち合わせている。
従って・・・市販されているバイク用のマフラーなども・・・当然その要素を取り入れてはいるが、
市街地走行でも扱い難くない程度に、設計されていると言う事だろう。
そんな訳で・・・以前、私が体験した様に、250ccのバイクからマフラーを外した場合には、
思う様な出力が得られなくても・・・至極当然の事だったのだ。
模型用でも・・・それに該当するマフラーが販売されている。
模型用では・・・チューンドサイレンサーと呼ばれている・・・それである。
この続きは・・・次回で。
業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート3は、お預けとなってしまった。
今回からは・・・話を元に戻して、マフラーに付いて考えてみたいと思う。
前々回の・・・業務にも使用可能なガソリンヘリ用マフラーに付いて・・・パート2では、
4サイクル用のマフラーと、2サイクル用のマフラーとでは、設計理論が根本的に異なっている事を
お話しした。
具体的には・・・4サイクル用の高性能マフラーを開発する場合は・・・間違いなく排気抵抗を
如何に軽減してスムーズに排気させるか?を・・・念頭に設計されている。
その上で・・・高速域を多用する場合と、低中速域を多用する場合とで、長さを調整して使用するのである。
方や問題の・・・2サイクル用のマフラーの場合は・・・如何なっているのだろうか?
パート1で・・・250ccのバイクで、マフラーを付けずに走ったら・・・パワーが全く出なかった・・・
と言う話しをしたと思うが・・・本当にそんな事が有るのだろうか?
その理由は・・・基本的なエンジンの構造にある。
でも、本当に・・・マフラーひとつで・・・そんなにエンジンの特性が変わってしまうモノなのか・・・?
もし・・・そうだとすれば・・・どんなカラクリが2サイクル用のマフラーには有るのだろうか?
以下では・・・当然、エンジンの構造も理解する必要がある事から・・・その辺のサワリだけ、
ここで確認しておきたい。
4サイクルエンジンでは、吸入・圧縮・爆発・排気を行っているので、全ての行程が
終了するまでにクランクシャフトが2回転する。
その事は・・・各工程が、独立している事を意味している。
方や・・・2サイクルエンジンでは・・・吸入・圧縮・爆発・排気の全ての行程が終了するまでに
クランクシャフトを、1回転させるだけで済ませてしまっている。
因って・・・一般的に4サイクルエンジンと比較して、2サイクルエンジンの常用回転数が
高い理由がここにある。
従って、エンジンが1回爆発する為に(燃焼行程)要する、工程数の違いから・・・
エンジンの名前の由来が・・・そこに有る。
以上の事からも・・・2サイクルエンジンの方が、少ない燃焼行程でエンジンを爆発させられるので、
一見、効率が良い様にも思えるのだが・・・。
しかし・・・実際には、この少ない燃焼工程にこそ・・・問題があるのである。
その問題とは・・・何か?・・・と、言う事だが・・・。
2サイクルエンジンの場合には・・・クランクシャフトが・・・僅か1回転するだけで
エンジンが爆発するのだから・・・吸入・圧縮と、爆発・排気を、ほぼ同時に行っている。
その上・・・実際には、次の工程に移る際に、吸入と排気のタイミングも・・・オーバーラップしている
時間があると言う事なのだ。
その理由は・・・構造上・・・ピストンがバルブの役目を負っているからに他ならないのだが・・・。
この様な2サイクルエンジンを・・・ピストンバルブと呼んでいる。
繰り返しになるが・・・そこに問題があって、十分な充填効率が得られないのである。
その理由とは・・・
ピストンが、バルブの役目も担っている以上・・・そのタイミングの設定には・・・自ずと限界がある。
従って・・・エンジンが一回爆発するだけなら問題は無いのだが・・・実際には
連続してエンジンは運転するから・・・問題が発生してしまう・・・と言う訳だ。
それは・・・吸入と排気のタイミングが・・・オーバーラップしている時間があるので、
次の燃焼行程に移る時に・・・爆発させる為に吸入された生ガスが、燃焼(爆発)する前に、
排気ポートから・・・先の工程の排気と共に、一緒に外へ出て行ってしまうのである。
一般的に、これを・・・吹き抜け・・・と、言うが・・・これでは爆発させる為に、
折角吸い込んだ混合気が・・・爆発しないまま大気中に放出されてしまい、
燃焼室に爆発するまで留まっていられない事から・・・酷く充填効率が悪いのである。
これが・・・2サククルエンジンの最大の欠点である。
実際には・・・黎明期の頃は色々な種類の2サイクルエンジンが存在し、違う構造のエンジンも
有った様だが・・・我々が現在、一般的にガソリンヘリで使用しているエンジンは・・・
この手のエンジンだと言う事なのだ。
他に・・・ロータリーバルブと呼ばれる・・・クランクシャフトに直結した、
円盤状のバルブを持つ構造の2サイクルエンジンもある。
こちらは・・・吸気タイミングを、ある程度自由に設定出来るので、レース用などの
一部の高性能エンジンでは常用されているのだが・・・あまり一般的ではない。
因って・・・充填効率を向上させる為に(混合気の吹き抜けを防ぐ)・・・何らかの仕掛けが必要となる。
そこで・・・マフラーに排気バルブの役割を担わせる事を目的として、
エキスパンションチャンバーが考案された。
勿論・・・後には、それらを改善する為の、色々な仕掛けが開発されたが・・・
あくまでも黎明期の頃の話である。
しかし・・・現在我々が使用しているガソリンエンジンは・・・その頃のエンジンと
基本的な構造は・・・然程、変わりないのである。
そんな訳で・・・私が考えるに・・・多分・・・マフラーを設計する場合の難しさからすると・・・
2サイクル用の方では無いか?と、考える。
まあ・・・それは・・・『出来の良い』エキスパンションチャンバー・・・と、呼ばれるマフラーの
場合に限るのだが・・・。
ただし、その手のマフラーは・・・ある回転域から急激にパワー特性が変化する傾向にあるので、
少々使い難い側面も持ち合わせている。
従って・・・市販されているバイク用のマフラーなども・・・当然その要素を取り入れてはいるが、
市街地走行でも扱い難くない程度に、設計されていると言う事だろう。
そんな訳で・・・以前、私が体験した様に、250ccのバイクからマフラーを外した場合には、
思う様な出力が得られなくても・・・至極当然の事だったのだ。
模型用でも・・・それに該当するマフラーが販売されている。
模型用では・・・チューンドサイレンサーと呼ばれている・・・それである。
この続きは・・・次回で。
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