数年前に修理を手掛けたお品物でした。
「時間が合わなくなって、ちょっとみてくれませんか?」との内容
早速外側から観察すると、秒針はピクピク動いていますが、長針と重なると止まります。
「針が重なって擦れていますね」と状態判明したのでお預かりしました。
早速作業します
5秒辺りで秒針と長針が擦れています。「針スレ」と呼ぶ症例です。
落下などの衝撃により針の締め込みが甘くなり傾くことがあります。
傾き角度があると他の針に干渉し擦れの原因となります。それなりの衝撃でないと、このような状況にはなりにくいですが、お客様が「あの時かなぁ」と覚えていることはほとんどありません。
3本の針が平行に重なりあうように付け直し、数日様子を確認します。
問題なければケースに入れて更に数日様子見して、お客様へのお渡しとなります。
針自体の締め込みが甘くなってしまっている場合もあるので、ケースに入れた後は、弱めの衝撃を加え締め込み具合の確認もします。お渡ししてすぐ同じ症例発生では迷惑かけてしまうので、やや長めにお預かりします。