2024.4/11記事の再掲から
掛時計の修理依頼です。
機械交換の方向で作業中ですが、問題発生しました。
画像10時から12時辺りの文字板がめくりあがっています
めくれがひどくなると針に擦れて時計停止の可能性もあり、何とかしなくてはなりません。
文字板部分で直径30㎝程度のお品物です
元通りに平らにしようとすると経年のためヒビが入り、割れや破けが発生します。
引き剥がそうとすると、まだ効果の有る接着が邪魔をして上手く剥がれません
めくれあがっている部分を切り取ることも考えましたが、今後時刻確認時には違和感が発生するかも・・・
同じサイズで文字板を作成しました。ローマ数字のフォントは異なりますがなるべく近いフォント選んだつもりです。紙への印刷です。
・印刷する紙に対しての工夫
・張替した場合の剥がれない工夫
・キレイに見せる工夫
・現状の質感に寄せたい願望
・作業として初めての事なので、作業手順構成
どうなるか?不安も多いですが、折角のご依頼ですので、絞り出すようにアイデア考え中です。
ココマデが再掲
この後の話
まずは「より似た見た目の文字板作成」を目指し作成
イラストレーターを使用しました。
紙に印刷するしか手立てが無いのですが、「単純に紙に印刷」だと劣化でのイタミによる変化が不安なので心配がありました。
そこでラミネート加工を施し、耐久性と印刷の劣化防止が出来るのではないかと実施。
ラミネート加工品とケースプラスティックの貼付方法も思案しました。
両面テープだと貼り付け面での段差が目立たないか?が使われる環境にもよりますが影が出て違和感が出てくるのも避けたい
スプレーのりを使用する事で均一に段差発生すること無く接着が出来ました。
より接着効果を求めて1週間程度、重石を載せ接着させました。
段差も無く以前との大幅な変化も無く、心配していたラミネート加工による文字板反射も少なく、現状出来る限りの作業は出来たと思います
ケース外側はサビ付きなどありますが、全体を均一にキレイにすることは出来ず、「ムラ」が発生し見た目が悪くなると判断し、簡単な擦り洗いで済ませました。味わいのある外観です。
このような大掛かりな作業は久しぶりでした。父との共同作業になりましたが楽しく作業は出来ました。
「どうしたら良いか?」「より良く出来ないか?」考えながら少しずつ完成に近づく工程は、悩ましい時もありましたが、修理完了すると「楽しかった出来事」に変わります。
お預かり期間は非常に長かったですが、先日お客様にもお渡し出来、とても喜んで頂きました。