東京に出てきて8年くらい。
東京って、思っていたより首都圏出身者が多い。店長も高尾とか西川口とかで生まれ育っている。でも地方出身者もそれなりにいて、平気そうな顔で暮らしているけれど郷愁にかられるということはないのだろうか?
少なくとも、私は、かなりある。
私は、目の前に宮島(厳島)がでんと居座る、川のような海をみてきた。宮島というのはかなり大きな島なので、小学校、中学校、高校までいっても「目の前に宮島」って光景から抜け出せない。小学校の遠足は、毎年、宮島のどこか。高校のマラソン大会まで船で宮島に渡って走る。
そんなわけで、「瀬戸内の多島美」というやつをほとんど感じずに育った。
瀬戸内人を自称するようになったのは大学から。景観生態学というやつをかじり、卒業研究に岩城島というところを選んだ。夕方、調査が終わって山頂に上ったとき、
ああ。なるほど、これがそうか・・・・!とね。←なかなかきれいでしょ
↑三年近く前の自分。ちなみにこの写真を撮ってくれた人は脳梗塞で倒れてしまいました。
なにが、ってわけじゃないけど。
ときどき、鳥取に居る姉とも話すが、「実家」が懐かしいわけじゃなくてなぜか瀬戸内の風景とか気候が懐かしくなるらしい。姉なんか魚の美味しいところにいるのだから食べることに不満はあるまいと思いがちだけれど、彼女の不満は主に山陰の気候らしい。私は東京に出てまだ短いけど、あなたは鳥取に出て行ってからの歳月の方が長いんじゃ・・・・人間って意外と適応力があるようでないのかも。