今回の現場奮闘記は宮崎ラボ水質検査グループがお送りします。
水質検査項目には「かび臭物質」と呼ばれるジェオスミン、2-メチルイソボルネオール(2-MIB)という2つの物質があります。
今からの時期は気温も徐々に高くなり、日照時間が長くなってきます。
これは、かび臭物質の原因となるラン藻類が増殖しやすい環境と言えます。
『日本の水道生物 写真と解説』 発行元:日本水道協会
左写真:Anabena affinis(左)とAnabena macrosporaの(右)の藻体
右写真:糸状体が運動して群落を形成したOscillatoria sp.(野生種)
かび臭物質は、低濃度(基準値:0.00001 mg/L=10 ng/L)でも不快な臭いを感じる為、生活環境項目として基準値が定められています。
ちなみに、ジェオスミンは雨が降った時の臭い、2-MIBは墨汁の臭いとも言われています。
ラボ内の従業員に協力してもらい、どの程度の濃度までかび臭を感じることができるか調べた結果をご紹介したいと思います。
【被験者数】:10名
【試料】:ジェオスミンと2-MIBを1:1で混合したものを以下の濃度で準備した。
20、10(基準値)、5、2、1 ng/L(定量下限値)の6種類
【試験方法】濃度が高いものから順に嗅いでもらい、臭いを感じるか感じないかで評価してもらった。
【結果】
以下に結果を示しています。
基準値以下の濃度であっても臭気を感じる人もいることが分かります。
同じ濃度であっても個人差で感じ方の変わるかび臭も、分析によって客観的に数値化することが可能です。
お水から異臭を感じた時は、まずは下記のURLより最寄りの弊社営業所までご相談下さい。
http://www.let-toyokankyo.com/information/outline.html