金魚cafe

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フェードル

2017-05-20 22:16:31 | 芝居
先週兵庫県立芸術文化センターに大竹しのぶさん主演の「フェードル」を観に行ってきました。

一度は舞台を観てみたいと思っていた大竹しのぶさん。

すごいです。

ギリシャを舞台とした悲劇でギリシャ神話の神々が出てきたりと不思議な感じの世界でした。

アテネの王テゼの妃フェードルは王である夫テゼが遠征に出かけそのまま消息がわからなくなり不安な毎日を過ごしていましたが、王が別の女性に産ませた義理の息子イッポリットに恋をしてしまいます。

もし、このまま王が戻らなければ自分の息子とイッポりットとの後継者争いになることになるのにその義理の息子に恋をしてしまい二重に苦しみます。

思い切ってイッポリットに自分の思いを打ち明けますが義理の母であるし、イッポリットには敵国の王女であるアリシーという恋人がいるため拒絶します。

そんなところに消息不明だった王が帰還します。

イッポリットを愛してしまったことを王に知られてはと恐れるフェードルは。

フェードルを演じる大竹しのぶさんがすごかったのです。

その乳母役のキムラ緑子さんもえ~っ緑子さん?ってわからないぐらいの乳母役でした。

この乳母のエノ―ヌが重要な役で悲劇を作るきっかけを作ってしまいます

この2人を両方観れるなんてすごく得をした気持ちになりました。

初めて生で観た大竹しのぶさん、舞台ですごく大きく見えました。

身体が大きいというのではなく、存在感がすごいのです。


あるときは大国の妃として貫録充分、そしてあるときは恋にこがれて周りが見えなくなってしまう一人の女性として、また嫉妬に狂い鬼になりとそして徐々に崩壊していく。


相手役のイッポリットの平岳大さんもテレビより舞台の人だなあと思います。

平岳大さんがが180センチもある方なのに大竹しのぶ全然負けてなかったです。

正義感あふれる王子イッポリットではとてもじゃないけれどフェードルには太刀打ちできないそんなすごさがありました。

ほぼフェードルの一人舞台のような場面がありまして大竹しのぶさんの熱演に客席集中です。

演出もえっ?という意外性がありこういう演出もあるんだなあと。

イッポリットの養育係がショーシャンクに出演されていた谷田歩さんでまた違う役柄が観れて良かったです。

カーテンコールは総立ちの拍手の嵐で大きく客席に手を振る大竹しのぶさん、ご挨拶もユーモアたっぷりでした。

次回また大竹しのぶさんを舞台で観れるならば今度はコメディなストーリーがいいなあと。





ハムレット

2017-05-04 23:54:49 | 芝居
兵庫県立芸術文化センターに「ハムレット」を観に行ってきました。

12時半に開場となって客席に行くと舞台にひな壇のような座席が設置されていました。

あ~~。チケットを買う時に舞台のそばにも座席表があったのを思いだしました。

ものすご~~く近くてこれは気合入れて観なくちゃいけない席だなあと。

舞台の3分の1ぐらいを座席なのでその分舞台は狭いのです。

登場人物が多いので動くの大変そうと思い始まるのを待ちます。

一応松岡和子さんの翻訳ではないのですが原作を読んできました。

父であるハムレット王を実の弟のクロ―ディアスに殺され、妃である母ガートルードはクロ―ディアスと再婚してしまい、亡き父が亡霊となって姿を現し、事実を知って悩めるハムレット。

父ハムレット王が亡くなる前は秀才の誉れ高き王子であったのが周囲が大丈夫なのか?と心配するぐらい変わってしまい、恋人のオフィーリアにも冷たく当たるようになってしまった。

そこから悲劇に進んでいくわけですが。


ハムレットの友人ホレイショー役の北村有起哉さん、ローゼンクランツの山口馬木也さん、ギルデスターン役の今拓哉さん登場。

衣装は中世ヨーロッパ風の衣装ではなく着物の感じでマントではなく長いめの羽織の様な衣装をひらひらさせていました。

そのマントで巻き起こす風を感じられるのが舞台の中に作られた客席で演じてらっしゃる方々の熱まで感じられそうです。

有起哉さん「BENT」のときは丸坊主でしたが今は元通りになってました。

このホレイショーが一部始終を見届ける一番重要な役なのかなあと。

出すぎてもいけないし自分の存在もここにいるよと見せなくちゃいけない、難しい役を有起哉さん今回もされたのですね。

國村準さんの亡霊となったハムレット王とクロ―ディアスの二役、クロ―ディアスが一筋縄ではいかない悪い人になりきらないと悲劇にならないので人当たり良さそうなんだけど何か企んでそうに演じられていたのでハムレットとの対決楽しみだわ~~と。

浅野ゆう子さんの妃ガートルードはあんな大きな息子がいるとは思えぬほど若々しい。

それもクロ―ディアスが王を暗殺した原因の一つかもと思いました。

ボローニアスの壌晴彦さんと役者役の村井國夫さんの声の良さにこの方たちが支えているから舞台がより素晴らしくなるのだと。

そして内野さんのハムレット、悩みが多すぎて無理に元気に見せて本当に大丈夫なのかと心配させるようなそうかと思えばコミカルなところも見せたりしてといろんな面を見せてくれます。

気が変になったふりをしていても心を許せるホレイショーといるときだけ本来の自分に戻るときのハムレットは素敵な紳士でオフィーリアでなくてもポ~~~っとなってしまいます。

内野さんが舞台に立っているだけでなんていうかsexyな方だなあと感じました。

上手く言えないのですが内面からハムレットに対する想いという熱い気持ちというものでしょうか、後ろの方の席の私のところにも伝わりました。

そんなハムレットを愛する貫地谷しほりさんの可憐でピュアなオフィーリアがだんだんと壊れていくところが悲しかったです。

父の仇を討つためとはいいながらあまりにもひどい仕打ちです。

あの有名なセリフの「尼寺へ行け!」というのには普通に尼になれというのではなく、オフィーリアを貶める別の意味があったのだそうでそれなら「尼寺へ行け」と言われれば傷つくだろうなあ。

貴族の世界の話なので彼等が何よりも重んじるのは名誉、そのために起こった悲劇だったのではと思いました。

だからすぐ決闘だ~~!戦だ~~!となるのでしょうね。

ハムレットとレアティーズの決闘シーンもありましてこれは素晴らしかったです。^^

舞台が普通の3分の2ぐらいしかない狭いところでの互いに武器を手に取って戦うのですから。


お二人の身体能力の高さ、キレッキレの動きにお~~っ!!ってなりました。

超有名なシェークスピアの悲劇ですからハムレットがどうなるかはそうなるのですが~~。

内野さんのハムレットは最後まで熱い人でした。(気持ちが)

終了してカーテンコールでもうみなさんスタンディングオペで拍手、拍手。

ハムレットとオフィーリアがならんでお辞儀されるところはもう絵のような素敵な二人で。

舞台の終わった後の内野さんはお茶目な方だと知らなくて有起哉さんと二人でお話されていて楽しそうでした。

明日も同じだけれど昨日と違うハムレットが観れるのだろうなあと思うとまた観に行きたくなります。




















ザ・空気

2017-03-23 22:50:02 | 芝居
兵庫県立芸術文化センターへ二兎社さんの「ザ・空気」を観てきました。

観終ってから何日も経ってるのですが、観た衝撃は薄れません。

蔵之介さんの舞台は別として~~一番の衝撃を受けたものでした。

前から永井愛さんの書かれる舞台はそういう雰囲気が感じられました。

「こんばんは父さん」は昭和の景気の良い時が忘れられず平成の時代になってもまだ山っ気持っている父、「兄帰る」では正しいはずなのに孤立していく女性。

そして「鷗外の怪談」では鷗外さんの書かれるものに圧力がかかったりしてと嫌~~な方へ進んでいくことを予知しているような。

今回はドンぴしゃりで今巷でざわざわしていることの裏側を見せられているような。

出演されている田中哲司さん、若村麻由美さん、木場勝巳さん、江口のりこさん、大窪人衛さんたちが上手すぎてもうドキュメントにしか見えなかったです。

とある放送局の報道番組「ニュース・ライブ」の番組が始まる前の出来事です。

この番組のアンカー(解説者)であったサクラギが自ら自分の命を絶ってしまった会議室。

そこで今夜のニュースの打ち合わせが行われるのですが、新任のアンカー大雲から横やりが入ってしまいます。

編集長の今森とキャスターの来宮はこの大雲と意見が合わずいつも衝突しています。

今回はいつもと違い大雲さんはかなりしつこくカットしろと要求してきます。

真実を明らかにするのが仕事のジャーナリストが真実を報道しないというのは何のため?

なぜダメなのか?誰もちゃんと説明できないし、誰のために報道しないのか?

誰が指示したというわけではないのです。

皆目に見えないものを恐れています。

それがこの題名なんでしょうね~~。

80分と短い時間でしたが80分で良かったと思いました。

この緊張感が2時間とかならもう観た後ぐったりとしたかもしれません。

それだけ客席もピーンと張りつめた雰囲気でした。

アンカー大雲役の木場勝巳さん、「あの大鴉さえも」を舞台でされたそうです。

大雲は非常に知的で声を荒げることもなく穏やかな紳士タイプですが体制の寄りかかっていて、真実を追求するタイプの編集長今森、キャスターの来宮がヒートアップしても穏やか~にのらりくらりとかわすのが曲者だなあと。

今までの二兎社の公演はTVで放送がされていましたが、これは放送されるだろうか?

する放送局があるだろうか?

という考えさせられる舞台でした。


お勢登場

2017-03-05 18:08:36 | 芝居


私の好きな俳優さん、片桐はいりさん、黒木華さんとダブルで観られるなんてラッキーとチケットを取りました。

江戸川乱歩の短編をベースにした芝居で舞台のセット、衣装も大正から昭和の戦争の足音が聞こえてくる前のなんとも妖しげな時代、夕暮れ時になるとマントを羽織った人さらいとかが出てきそうな。
そんな感じです。

乱歩センセーの有名な「押し絵と旅する男」や「D坂の殺人」、「二銭銅貨」、「廃人」登場するお勢というミステリアスな女性を中心に1つの世界を作ってしまった。

可愛らしくもミステリアスなお勢を黒木華さん。
片桐はいりさんと梶原善さんがいろんな役で登場します。

乱歩センセーの小説に出てくるキャラの違う人を何人も演じるお二人、テレビも良いけどやっぱり舞台で観るのが良いなあと。

「D坂の殺人」を初めて読んだ時の衝撃、それを生の舞台で再現されるのですからそうなんだこの事件にはこんな背景があったのかと本を読んだ人と語り合いたかったです。

あと「押し絵と旅する男」と「廃人」のシーンもいろんなことが衝撃でした。

乱歩の世界をこんな風に表現された舞台、とても素晴らしかったです。
まだまだ乱歩センセーの作品はありますのでお勢さんに再び登場していただきたいです。

すいません。<m(__)m>

2016-12-05 10:02:17 | 芝居
昨日「奇ッ怪其ノ参」の感想を書かせていただいたのですが出演者のお名前を間違えておりました。

峯村リエさんではなく池谷のぶえさんでした。

前の記事は間違えている箇所を直させていただきました。

大変申し訳ございませんでした。