金魚cafe

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あなたを抱きしめる日まで

2014-05-20 23:18:00 | 映画
これは今から50年以上前にアイルランドで起こった実話をもとに作られた映画です。

いろんな雑誌で紹介されていて、読んでみてこれはぜひスクリーンで観たいと公開の日を待っていました。

ヒロインのフィロミナ役のジュディ・デンチがこんな風に年を取れたらと思うチャーミングな人でした。

1952年アイルランド、若いフィロミナは未婚のまま妊娠します。

彼女は敬虔なカトリックだったので親は怒って絶縁、彼女は修道院に放り込まれます。

そこは彼女と同じ境遇の女性たちがいて厳しい戒律の中で毎日修道院で働きます。

その修道院というのが暗くて重い雰囲気で温かみというのが全くなくて刑務所かと思うほどです。

充分な医療設備のないところで彼女は男の子を産みます。

厳しい生活の中少しの時間だけ子供と触れ合えるのが唯一の救いでしたが、彼女に無断でシスターたちが子供を裕福なアメリカ人の養子にしてしまいます。

ここまで観てると修道院って困った人に手を差し伸べないのか?ここだけが特別なのかと思っちゃいますがこれが最後になって理由がわかっちゃうんです。

その後看護師となり新たな出会いがあり結婚、出産と今経てでは子供たちに囲まれて幸せな老後を送れるようになりました。

けれど彼女は別れた息子のことを忘れたことはなかったのです。

50年間子供たちに秘密にしてきましたが、娘に打ち明けます。

ここですごいなあと思ったのが娘が自分にとってはお兄さんを捜そうと現在BBCを首になったジャーナリストのマーティンに調査を依頼するのです。

フィロミナとマーティンで息子探しをするわけですが、マーティンという人がオックスフォード出のインテリでちょっと人を見下すような嫌味な人というのが最初の印象でした。

片や新聞は三面記事、小説はロマンス小説しか読まない普通のおばさん、そんな2人が会話がかみ合うわけもなくどこかズレててそこが面白かったです。

フィロミナとマーティンの思惑は違うのですが一緒に息子探しの旅の道中でお互いを理解するようになりマーティンもいい人じゃないのと感動的な場面もありました。

実話をもとにした映画なのにこんな展開が現実にあるの~というすごい話で勝手に自分の子供を取り上げられてどこに怒りをぶつけたらいいのかわからないのにフィロミナはそれを受け入れ前に進むのです。

そんな彼女の顔のシワさえも素敵だと思う、そんな映画でした。