金魚cafe

こちらにお立ち寄りくださってありがとうございます。
ぼちぼちのんびりと綴っております。

よね吉・正邦笑えない会

2016-06-13 00:20:48 | 古典芸能
今年もこの季節がやってまいりました。

いつもならもうちょっと遅めで京都芸術センターに行く途中で祇園さんの囃子のお稽古の音色や鉾が見れるのですが今年は早かったみたいです。

いつものように開演一時間前にチケットを受け取り自由席なので並びます。

今年の秋に茂山正邦さんが千五郎のお名前を襲名されるので正邦としては今年最後になります。

そんな感じでトークでもそこに触れられておりました。

江戸時代から続く千五郎という名前は正邦さんで十四世だそうでそれだけ重大なことなのだなあというのは感じます。

トークのなかで正邦さんの祖父にあたる千五郎さん、千之丞さんが今までの概念を打ち破り新しいことにどんどん挑戦され道を開かれた。

そのすごさも感じておられる。

能楽堂以外のえ~~っそんなところで狂言を~~というようなことをどんどんやられた。

今聞いてもびっくりします。

トークでよね吉さんが自分の師匠である吉朝さんの話をされるときの表情やエピソードで弟子思いの師匠だったのだなあと。

毎回の狂言、落語は普段見られないマニアックなもので聞いたこともないし、狂言の「鱸包丁」も「和伝書」でどこに書いてあったかなあと調べなおしました。

伯父のお祝いに鯉を届けようとした甥、ところが肝心の鯉を買うのを忘れてしまい、伯父さんに実はせっかく手に入れた鯉をカワウソに食べられてしまったと言い訳をします。

カワウソがフツーに川で泳いでるってどれだけ昔の話なんでしょうね。

そういうところがマニアックなのかもしれません。

この甥をこらしめてやろうと伯父さんの反撃が大部分をしめます。

鯉を買ってこないといけない話でなぜ鱸がでてくるのか?

そこも深~~い話でワハハと笑えませんが、料理の作法から、お茶のたて方に詳しい方は面白いと思います。

そして落語が「本能寺」。

これは歌舞伎のお話を落語で聞かせるというものなのだそうですが、なぜマニアックなのかといいますと、歌舞伎でこれが上演されないから元ネタがわからないとワハハと笑えないのだろうということです。

枕からよね吉さん歌舞伎の話でご本人は本当に歌舞伎が好きな方なのだなあと。

幕見席のお話も歌舞伎というのはお値段が高いからと敬遠されている方に安い値段で歌舞伎が観れますよと勉強になりました。

「本能寺」とはあの織田信長が明智光秀によって本能寺で撃たれるところを舞台で演じるのですが、昔はやぱり織田信長のまま名前をだすというのは難しかったようで織田信春、明智光秀は武智光秀と名前を変えて演じていたそうです。

私たちはただただよね吉さんが一人で歌舞伎をえんじているところを観ていました。

手拭い扇子などを上手く使うところは笑うというよりほぉ~~と感嘆な声が聞こえてきました。

この落語をやる方が少ないのは歌舞伎というものを知っている、この元ネタを知っていないとできないからだと思います。

いきなり歌舞伎の型というものはできませんものね。

ドカ~~ンと笑いはないけれど歌舞伎好きなよね吉さんにはぴったりの話だと思います。

ウケないから人前でやらなくなる、そうすると忘れられてしまう。



そうならないようにどんどんやっていこうマニアックな曲、ネタに挑戦し続けるこの笑えない会と名付けておられますが、しっかりと笑えますから~~。

来年も楽しみにしています。


最新の画像もっと見る

コメントを投稿