金魚cafe

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希望荘

2016-11-23 00:10:42 | 読んだ本
宮部みゆき著 小学館。

「ペテロの葬列」のちょっとショッキングな終わり方から続く杉村三郎シリーズと言って良いのかわかりませんがその後の杉村さんは探偵となりました。

聖域、希望荘、砂男、二重身(ドッペルゲンガー)という四つの短編が載っております。

他に文庫本の「ソロモンの偽証」に書き下ろしであの涼子ちゃんとコラボの短編もあります。

今出家をでた杉村さんのその後の順番としては砂男、聖域、希望荘、二重身(ドッペルゲンガー)となります。

砂男では今出家を出て独り身となった杉村さんは故郷の山梨に戻りますがそこには彼の居場所はありませんでした。

そこで探偵となるきっかけとなる出来事と人と出会うわけですが、悪い人は出てくることは出てきますがごく普通の人たちのそれぐらいは許されるんじゃないかという一滴の毒のようなものが溜まっていきせき止められていたものがあふれ出すと悲劇が起こる。

四つの短編はそんなストーリーです。

全員が救われるわけではないけれど真実が明らかになることによって前に一歩踏み出せる人がいる。

そのために杉村さんは探偵になったのではないだろうかと。

杉村さんは自分は厄介ごとを引き寄せる体質なのではないかと悲観しているのですが、困っている人が杉村さんならばちゃんと話を聞いてくれるだろうと頼ってくるから巻き込まれるのではないかと。

真っ当な人で危険も察知できるし、言っていいことと悪いこともちゃんとわかっている人だけれでも人が良すぎるというかちょっと危ういところもあり、面倒見なくちゃと昔の職場のビルのなかに入っていた喫茶店「睡蓮」のマスターだったり、探偵事務所を始めるために借りた家の大家さんだったりとそういう人に囲まれているのが杉村さんにとって救いなのかなと。

これが宮部ワールドのお江戸ならばお天道様の下で毎日額に汗して働いて今日も一日無事過ごせておまんま食べられることに感謝してで済むのですが現代というのは便利なようでいろいろめんどくさいものだなあと。

続編が出たということはドラマも続編希望なのですが、今出コンツェルンの会長の役の平幹二朗さんが亡くなられたので難しいかなあと。




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