アスリッド・リンドグレーン著
夏休みの読書感想文を書くのに相応しいような題名。
石井登志子訳
岩波書店
夏休みの読書感想文を書くのに相応しいような題名。
アスリッド・リンドグレーンといえば「長靴下のピッピ」を読んだだけでした。
第2次世界大戦が始まる前、1939年にドイツがポーランドに侵攻した日から1945年の終戦まで戦争に関することの自分の思いや新聞の切りぬきを貼ったり家族の日常や2人の子供の母であったリンドグレーンは子供たちのために買い物をしたもの、日用品、食料の値段などを細かく記録していました。
まだ小説を世に出す前で彼女は国が設置した郵便の中身を検閲するパートタイムの仕事をしていました。
夫も働いていたのと両親からの食料の援助もあったりで日本の戦時中のことを考えればとても豊かだったと思えます。
中立国だったスウェーデンは戦争の被害はなかったけれどドイツやロシアとの緊張感はあったようでノルウェーやフィンランドともそんなに仲が良さそうではない感じが日記から感じてしまいました。
中立国だから大丈夫だったのかヒトラーやムッソリーニについて辛辣に書かれていたし家族間でも話をされていた様子でした。
これが戦時中の日本なら非国民と呼ばれて非難されるだろうなと思いました。
ここまで突っ込んで日記に書けたりするというのは切りぬきの新聞記事もきちんと報道されていたからだろうと思いました。
そんな深刻な話ばかりではなく家族でピクニックに行った。夏は別荘に避暑に出かけた。冬はスキーに行ったと日常を楽しめているのにバターは買い置きしなくていいだろうかコーヒーも配給になるだろうし砂糖も確保しなくちゃと。
戦時中とは思えない豊かさが書かれていました。
「長靴下のピッピ」は戦時中に娘さんに聞かせていた話を小説にしたもので日記を書きつつ片方でこんな小説を書いていたなんてとリンドグレーンという人の知らなかったことがわかるとまたピッピや名探偵カッレくん、やかまし村の子供たちを読みたくなりました。
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