中村吉右衛門著
私は時代劇ファンで鬼平犯科帳も観ています。
主役の鬼平こと中村吉右衛門さん池波正太郎先生がご指名されただけあってピッタリです。
でも歌舞伎役者としての吉右衛門さんはまだTV中継でも観たことがありません。
そんな吉右衛門さんのご本。
歌舞伎の方々は猿之助さんなど文章を書かれるのがお上手な方が多くいらっしゃいます。
吉右衛門さんはどのようなことをお書きになられたのかと読んでみますと、母方の祖父の初代吉右衛門さんに後継者がいないため養子にはいったこと、ご自分の少年時代や好きなことについて書かれています。
松本幸四郎さんとご兄弟なのに養子に行ったため叔父と甥、母とは兄弟になってしまうという複雑なお家の事情。
お母様が体が弱かったのでばあやに育ててもらった。
これだけでも??と私には想像できない世界です。
お手伝いさんはいらっしゃるお家はあると思いますがばあやって。
このばあやという方がこの方にすごく影響をあたえているなと思われます。
お母様より厳しく、そして深く愛情を注いで育てられたというのがよくわかります。
普通ならご自分のことを書かれているのですから父母、兄弟がでてくるはずですが、いちばん本で出てくるのがばあやである杉村たけさんです。
このかたの生い立ちだけでも一冊の本が書けそうな方で吉右衛門さん、幸四郎さんを実の親でもそこまでできないほど愛して育てられました。
だから吉右衛門を襲名前にばあやさんが亡くなられたことが吉右衛門さんにはとても悲しかったみたいです。
中学生のときからおませでジャズが好きで三味線よりギターが好きだったとか、縁側で煙管ふかしている平蔵さまからは想像できませんが、若いころに散々遊んだからこそ人の気持ちがわかる平蔵さまとかぶってるところがあり、これを読むと鬼平の吉右衛門さん、歌舞伎の吉右衛門さんを違った目で観れると思います。
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