樋口有介著 文藝春秋。
年に一冊のペースで文藝春秋さんから本を出版する樋口センセー。
主人公は高校生もしくは十代の男子あるいは女子。
男子はどこか浮世離れしたフワフワした感じで妙に鋭い子、女子だと周りがしっかりしていないので自分がしっかりせねばともうオトナになっている子という設定が多いです。
そして舞台は夏なのですが今回は穏やかな春の川越。
西に住んでいる私にはちょっとどんなところかわからないのですが読んでみると東京にお買い物に行ったりしているシーンがありましたのでそんなに遠くはないのかな?
主人公の十五歳の玲菜という女子。
川越の2LDKで母親と二人暮らし、彼女には戸籍がありません。
母親と「あの人」からずっと逃げる生活を続けているため何度も引っ越しをしています。
戸籍がないというのはこの前終了したドラマ相棒でもテーマに取り上げられていました。
学校に通えなくても勉強はできますが、戸籍があれば当然できることが何もできません。
保険がないから病気になれない。
そんな玲菜は健康に気を付けた食生活をしなければならなくて自分で食事も作るし、生活に必要なことはすべて母親から教えられており同じ年頃の子たちより早く大人にならなければいけなかったような。
あの人というのが父親なのだろうか?それとも何か犯罪に巻き込まれているのだろうかといろいろ考えながら読んでみますとあまり切羽つまったかんじではなく普通に暮らしているのが救いかなあと。
樋口センセーの親子関係は良好ではあるのですが親がフワフワして危なっかしかったり何処か突き抜けた感じの一般的には「変わった人」が多いのですが玲菜に戸籍がないだけで母親はごく普通の人なのかなあと。
いや、普通であれば十何年も逃げ回ることもないのだからやっぱり普通じゃないのかも。
この母親の気持ちは最後までわかりませんでした。
その逃げ回っている秘密や「あの人」の正体もえ~~~~っ!ってなるのですが、彼女たちを助けてくれる正義?の味方が現れたりでその逃亡生活もユーモアたっぷりで孤独も救われたかも。
桜の花びら舞う季節から爽やかな新緑の季節になるまでの一か月の間の出来事、現実はそんなに甘くないけれどこんなふうになってもいいのではないか。
ビミョーな十代がオトナになっていく、その過程を描くのが上手いなあと樋口センセーの小説を読んでいつも思うのです。
年に一冊のペースで文藝春秋さんから本を出版する樋口センセー。
主人公は高校生もしくは十代の男子あるいは女子。
男子はどこか浮世離れしたフワフワした感じで妙に鋭い子、女子だと周りがしっかりしていないので自分がしっかりせねばともうオトナになっている子という設定が多いです。
そして舞台は夏なのですが今回は穏やかな春の川越。
西に住んでいる私にはちょっとどんなところかわからないのですが読んでみると東京にお買い物に行ったりしているシーンがありましたのでそんなに遠くはないのかな?
主人公の十五歳の玲菜という女子。
川越の2LDKで母親と二人暮らし、彼女には戸籍がありません。
母親と「あの人」からずっと逃げる生活を続けているため何度も引っ越しをしています。
戸籍がないというのはこの前終了したドラマ相棒でもテーマに取り上げられていました。
学校に通えなくても勉強はできますが、戸籍があれば当然できることが何もできません。
保険がないから病気になれない。
そんな玲菜は健康に気を付けた食生活をしなければならなくて自分で食事も作るし、生活に必要なことはすべて母親から教えられており同じ年頃の子たちより早く大人にならなければいけなかったような。
あの人というのが父親なのだろうか?それとも何か犯罪に巻き込まれているのだろうかといろいろ考えながら読んでみますとあまり切羽つまったかんじではなく普通に暮らしているのが救いかなあと。
樋口センセーの親子関係は良好ではあるのですが親がフワフワして危なっかしかったり何処か突き抜けた感じの一般的には「変わった人」が多いのですが玲菜に戸籍がないだけで母親はごく普通の人なのかなあと。
いや、普通であれば十何年も逃げ回ることもないのだからやっぱり普通じゃないのかも。
この母親の気持ちは最後までわかりませんでした。
その逃げ回っている秘密や「あの人」の正体もえ~~~~っ!ってなるのですが、彼女たちを助けてくれる正義?の味方が現れたりでその逃亡生活もユーモアたっぷりで孤独も救われたかも。
桜の花びら舞う季節から爽やかな新緑の季節になるまでの一か月の間の出来事、現実はそんなに甘くないけれどこんなふうになってもいいのではないか。
ビミョーな十代がオトナになっていく、その過程を描くのが上手いなあと樋口センセーの小説を読んでいつも思うのです。
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