そこから脱出すべきなのに、その中にある小さないいこと 好きなもの のせいで
ずっとそこにいる。
毒まみれの場所の中に咲いている小さな花が、そこから抜け出させずにとどまらせてしまう
花なんか咲いていなければ、綺麗なものなど一切なければ もっと早くにそこから
逃れられたのに さっさと手放せたのに その小さな花のせいで 毒の中に
ずっとい続けて 本当の生命力を奪われて行って 殺されてしまう
「星の砂」とラベルされた小瓶に入った星形の砂を 大切にするあまり 星に砂をとりに行くことを
自分から遠ざけて
飼育小屋で12時に流れてくるチャイムの音色や 3時に出される砂糖水を 楽しみにするあまり
自由のジャングルで暮らすことが想像できず 生きてる時間をそこですり減らしていく
それを愛でることが 実は自分を苦しいままにしていやしないか
心の拠り所と思っているものが 自分をそこに縛りつけていやしないか
それは 自分の気力を失わせたままに いさせ続ける毒かも知れない
握りしめてるそれは ありがたがってるそれは そんなに大事なものなのか
ただ 仕方がなく それにすがっているだけではないのか
本当は そんなものに 価値はないのではないか
幸福なひとときをもたらすものというより 生命力を奪っている犯人ではないのか