「欲しいと思って見ると、よく見える。それを買う理由ばかりを集めるから。
そして一旦自分の物になった途端に、それまで見えていなかった粗が見えてくる。
要らないと思って なんでも見るようにすることだ。そうすれば賢明な買い物ができる。」
建築家のおじちゃんがそんな風に言いました。本当に、そうだと思います。
それを欲しいと思って見るのなら、検討しているつもりでも、それを買う理由を集めて正当化しているのであって
一旦買うと、買う前には全然気づかなかった粗が、見えてくる。
欲しいという気持ちが、情報にバイアスをかけて、見たい物だけ見てしまう。
だけでなく、頼まれもせずにその美点に強調のアクセントをつける。
要らないと思って臨めば、そのようなバイアスがかからないから、賢明な判断ができる。
買う時に、脳内でひとりディベートをするのも効果的だと思います。
欲しい気になっている、目の前の物の粗を挙げてみたり。
例:「多分突板のここから剥がれてきそう。内側をタッカーで留めてある、安価な作り」
または、買わない理由を挙げてみる。
例:「物が増える。管理対象が増える。探し物が多くなる。部屋の中が複雑になる」
逆に、全く魅かれなかった物の、いい所を挙げてみるカウンタートークも練習にいいと思います。
例:「引き出しがダボ接合でなく蟻組式で、上等だ」
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新品を買うことがあまりない私ですが、(参照:環境神話)この前新品を買った時に、
いつもはならない心理状態になりました。
それは、新品なんだから、粗があってはいけないという強迫的な気持ちです。
新品でも、開封したら多少は誤差の範囲内で(?)粗みたいなものがあったりします。
もし大量生産の人形だったら、黒目が白目から飛び出していたり。印刷が粗悪で福笑いみたいにずれている絵とか…
中古だと、傷や汚れなどの粗があるのが当たり前だから、全然気にならなくて最初から受け容れられるから
やはり中古を買うのがいいと改めて思いました。強迫性症状がある人には、中古を買うのがお勧めです。
“Perfect is the enemy of good.” ―
A quote for me
とも言っている。
私はこの格言を見て、昨日仲間のお兄さんが話した言葉を思い出しました。