今の家具はコストや工程をケチられて作られていて、昔の製造物との違いは
歴然です。例えば本棚とかの外周りの合板や、天板、地板、棚板、
どれだけ薄くするの?と言う程薄いです。見ていて心寒くなる…
廃盤になった製品の後継品が著しく劣化していたりする。値段は逆に上がっていて。
棚板の高さを自在に調節するための金具(ダボ)も
昔は①しっかりはめ込むねじ式が使われていたのが ②押してはめ込むダボに替わり、
今では③下から棚板を受けて小型ビスで斜めから固定するタイプに替わっていたりする。
①②まではあまり問題ないと思います。①程のちゃんとした支えではないものの
②のダボでもだいたい大丈夫。でも③は本当に不便だし使えない。
① ②
③
①②の普通の金具のダボだと、好きな位置に嵌めてみて、ダメだったらまた簡単に外して
別の個所に嵌め直せる。気軽につけ外しして試すことができる。でも③は穴に差し込むのが
いちいち面倒だし、ビスを斜めからドライバーで回し込んで固定しないと棚板が
容易に崩れ落ちてくる。めちゃ面倒くさいので私は劣化だと思いました。
工程数が多いと、暮らす人がその家具を自由自在に使いこなすことを阻害します。
②のダボだといくらでも気軽に嵌め外しができて本当によかった、と
③の面倒さを知ったら思いました。※長いこと嵌めていたダボが経年で
錆びたりして固定化してしまって力を込めても取り外せないことはありますが…
インテリア作り、整理整頓、収納の分野でも、アクト数はプロの人達が言っています。
何かを出すのにアクト数が多いと、ヒトは敬遠してそれを「せんどこ」ってなります。
だからアクト数(とプロの人が呼んでたけど、その物にたどり着くまでの工程数です。)
を少なくする事が整理整頓、収納の基本。
滅多に使わない物(雛人形とかクリスマスツリーとか)はアクト数が多くても
仕方ないけど、生活の中で存在が重要な物はすぐにアクセスできる事が大事。
これは、色んな情報によって、フォーカスすべき対象への集中が阻害されてしまったり
集中力が容易く分散してしまうADHDなどの特性をもった子ども・大人には特に
必要な工夫だと言われているし私も同感です。有意な特性をもった人には尚更ですが
そうでない全ての人にとっても、この考えは空間作りの基本だと思います。
例えば「これ、読んで欲しいな」と思っている本を、天井近くの高い位置に並べて
いても子どもは読まなくて、彼がよくいるスペースの近くのすぐに読める低い位置に
コロ(車輪)つき本棚に置いていたら、読んだりしています。
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昔の家具の方が堅牢でしっかり作られています。そして芸があったり。
だから中古屋さんで見て回るのが好きです。
カーテンや壁紙などの柄も、昔の製造品や外国の物は複雑で芸術性があるのに
今の日本の普及品って本当に しょぼいです… 芸術的で複雑な柄だと
どこからがコピーの境目が本当にわかりにくかったりしますが、現代の普及品って
単純な柄のコピー&ペーストで、奥行きも深みも不可思議さも、ありゃしない。
昔の製造物や外国の製造物を漁るのは本当に面白いです。
誰か女の子も言ってました。洋服の布地、今売られている物(一般向け)は
本当に面白くなくてちゃちくてしょぼい、昔の洋服の布地は可愛いって。
とても共感します。
本の挿絵とかにも思います。昔の本の挿絵って、その世界観に誘い込まれて
想像力や憧れが掻き立てられていました。今は、何もかもが、ペラくなっていると感じる。
この劣化はあまりにも酷いから、人々を画一化しようとする陰謀を疑う程です。