先日、年下の先生がした大学教授へのインタビューを見て、とても面白かったです。
酒場にいる貧乏そうなおじちゃんみたいな風貌の教授の話は、とても素晴らしかったです。
私が今まで出会ってきた教養深い人って、こういう感じの人が結構います。
丸山眞男の話をしていました。日本は、外国から輸入し受容したものだらけで構成されている。
民主主義、自由、権利、野球、ブルース…。しかしそれらはすべて日本ナイズされて定着する。
源流のスピリットとは似ても似つかないものに変容して。日本人が勝手に変えてしまうのである。
この変容は、すべて共通したベクトルで日本的なものに変わる。
すごくよくわかります。
丸山眞男の「日本の思想」(1961)に書いてある日本の雑居的無秩序性の話と繋がります。
日本では色んな思想がつまみ食い的に消費され、ネタ化し、無意味なものになる。
矛盾を矛盾として認識せず安易にパクつき便利に消費する伝統のせいで、何ものをも伝統化しない。
精神的雑居性・無限抱擁 = 座標軸の不在 = 節操がない
promiscuous
- 〈軽蔑的〉誰とでも寝る、乱れた
- 〈軽蔑的〉見境のない、手当たり次第の
構造化されることなく、真髄が通ることなく、スピリットを根底で分かち合うことなく、
あらゆる考え、思想、知識がネタ化してその場その場でつまみあげて恣意的に利用される。濫用される。
その人の目的を浅ましく正当化する方便として…
一例:「多数決は民主主義なんで~」 「個人の自由なんで~」 (関連:民主主義の基本)
「多数決は民主的」「だから私の勝ち。お前の負け」
その思想の神髄には指先ひとつ触れないまま、利用だけする。 What a BEAUTIFUL country...
エントロピー増大② エントロピー増大 環境依存のキョロキョロ人間 衝撃をありがとう 無責任な「改革」
こういういかにも日本的消費は、いわゆる左翼としてのポジションを張っている運動家にも
している人がいて、私は「左翼のふりした凡人」と呼んでいます。真髄、原点のスピリットを
大事にするのが本来のいわゆる左翼のあり方です。例えば、歴史の中でブルースやジャズやロックが
どうやって発祥したかをいつも忘れずに基礎とともにある 。でも、左翼のふりした凡人は、
上に書いたような、朝飯前の転がしを自由自在にやってのける… 真髄にはかすりもせずに…
日本的なものを批判しているけれど、まさに日本的そのもの。
promiscuous woman :尻軽女
hollow inside
私はそういう、思想のスピリットを無視したまま方便としてお茶の子さいさいに
上皮だけ濫用する人は、右でも左でもオーガニックでも好かないです。
それこそが、日本的な節操のなさなんです。
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この、基礎がないまま色んなものを受容して変質させて定着させることは、
エントロピーを際限なく増大させています。障害者雇用もそうです。 根がない所にとってつけたら
基礎がなくて 真髄がなくて、上っ面でとってつけてやってるプレイだから時限爆弾状態です。
上から目線の「寛容」「支援」「配慮」は、近い将来に馬脚を現します。
これは障害者に限らず男尊女卑もそうだし、色んな差別に関して同じです。
器をコップからどんぶりに広げればいいのか そうではない。そもそもの
上から目線をどうにかしないと、そして真髄の精神を社会で共有しないといけません。
それなしに、口先だけで「ダイバーシティ」とか「配慮」とか「支援」とか
「手を差し伸べる」とか言っても、本心はじきに露呈します。
このことを、障害者やマイノリティの立場の人達はよく知っています。
スピリットを持たず社会的なコモンセンスを分かち合っていないのに、
環境依存のキョロ目でポーズだけ周到にとる行為は、やがて時限がくる爆弾に似ています。