本論が、下の方になってしまいました。
建築家のおじちゃんのお話はいつも興味深いです。
家の中と外界の間には、導入部、どっちでもなく、どっちでもあるような、繋ぎの空間が要るのだ
外から急に内になったり、内から突如外になるのはいけない
と言われます。その導入部を、なんとか という古典的な言葉で表現されますが、忘れてしまいました。
彼の設計する建築物はその考えを反映したものになっています。私はこの考えに、理屈ではなくて感覚的に共感しました。
急に変わるのはよくなくて、導入部を通って、そっちの世界に移動する というものです。
これは理念や信条ではなく、動物としてのヒトの体と心の自然律、理に沿うものだと思います。
建築家は、そういうことまでも心得ていないといけない、幅広い教養が必要となる職業です。そして彼はとても素晴らしい建築家です。
だから彼と話すのがとても面白いんです。(関連:人間工学)
理念や信条、好き嫌いにかかわらず、ヒトは、自動的な反応をする動物です。心理学を読んでいると、私はヒトの弱さを思います。
褒められたことではなくても、ヒトは動物として自動的な反応をし、そのことは、人々を自分の思うように動かしたい
商業的・政治的な勢力から知り尽くされて、利用され、誘導され、かれらの思うように動かされています。
このことに無防備に、人々を立派なものだという前提で動かそうとしても、失敗に終わります。
現実は、そうではないから。むしろ人々を猿とみなしてその傾向を利用した企ては、成功している。
実際のあり様に沿ったはたらきかけは成功するが、それに逆らう形で はたらきかけても、失敗する。
これは、好むと好まざるにかかわらず、自然の摂理です。哀しい摂理です。
(関連: この哀しい社会の中で Better is the enemy of Good 教養人と大衆の壁 William Morris as real Socialist)