ある小説を読んで、その舞台となったところへ
ぜひとも行ってみたい、と思わせる小説が
魅力的な小説ではないかと思ったのは
例えば「泥の河」もそうですし「家守綺譚」なども。
だから私にはそういう魅力が感じられない小説は
あまり興味が湧かない、と思ったら違いました。
例えば内田康夫などはそこへ行かなくても
行ったような気にさせられてしまうので行く必要も感じないのでした。
ただ、芥川や太宰などは「舞台」が精神のなかに含み込まれて
しまっているので、この話題とは別次元。
梶井の「檸檬」などは多くの人があの「軒の低い」八百屋さんを
訪ねて、今はその店の窓に張り紙がしてあります・・・
お向かいの和菓子屋「かぎや」はもうありません。
百万遍に移されたのでしょうか。
と言ったところでちょっと首を傾げたのが
梶井の「檸檬」の碑が大阪は土佐堀の近く
靭公園にあるってことでした・・・
京都・寺町にあってこそ、なんですけどね。
彼が大阪生まれとしても
ここにそれがあるのはちょっと・・・