昔、大雪の中、学校へ行く数人の子供たちを
見た、あの風景は
忘れることのできない美しいものでした。
ああ、なんて感動的な景色だったでしょう。
年上の子が先に立って
年下の子はそのあとについてゆく。
みんな黙々と降る雪に顔をうつむけて
すっぽりと暖かいオーバーコートに包まれて
ランドセルもコートの下で膨らんでいて
あの美しい風景は今もう幻なのでしょうか。
そこかしこの学校は閉ざされ
子供達はスクールバスに乗って
楽々と運ばれていきますから
あの雪の中の通学風景はもう
存在しないのかもしれませんね。
映画「世界の通学路」ではまだまだ
「素晴らしい」いや「素晴らしすぎる」そんな風景が
描かれていましたが
日本の子供たちにはもうそれはおとぎ話になったのかもしれません。
郷愁を誘うあの風景もただの「昔語り」になりました。
悲しむべきか、喜ぶべきかーー