TRITON

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虹と雷鳥 鹿島槍記 そのいち

2018年08月17日 15時09分26秒 | ひとりごと

(写真は爺ヶ岳山頂から)



山に登るときの天気予報は
てんきとくらす

world weather forecast
を比較しながら見ている
両者が全く異なる場合もある
今回はweather forecastでは予定日すべてが
risk stormあるいはheavy rainで
降水量も70近いところもあり
風速も常時20近くあった
てんきとくらすでは
初日Aで他はC(登山不適)
降水量、風速ともforecastの半分程度
予定では扇沢から登って冷池山荘泊、鹿島槍ヶ岳、五竜岳を通り五竜山荘泊、エスカルへ下山
しかし登れそうなのが初日しかなかったので
五竜山荘はキャンセルし
冷池山荘まで(初日に行けたら鹿島槍ヶ岳まで往復)とした

扇沢駅には4:30頃到着
まだ夜明け前
着替えを済ませ軽い朝食(カツサンドとゼリー)
プラティパスにポカリを作って出発したのが5時過ぎくらい
車道を柏原新道の登山口まで1㎞ほど歩く
路側帯だけの橋の上とかちょっと怖かった
登山口には白テントがあって登山計画書を提出するようになっていた
おじさんがいて新聞の天気欄を見ながら
この前線がこっちに来るから明日は荒れるよ
雨と雷は覚悟しといてよ
とのこと
それでもその日は暑くて
登りはじめてすぐに汗が瀧のようにあふれた
登山道はよく整備されていて
八ヶ岳みたいな岩ごろごろではなくて
比較的高低差の小さい段々になっていた
これならば帰りも楽であろうと思われた
ただしペースがあがらない
前々日の夜ほとんど寝てなくて
出発した日も一日働いたあとバス車中泊だったもので
すぐ息があがってしまった

げに寝不足は登山の大敵なり

おまけに登りはじめてしばらくすると
両方のももがつりはじめた
ももだけでなく右の腰あたりも
しばらく歩いていたら収まったがまた再発して
これはなかなか厳しいな
と思っていたら
すれ違ったおばさんが
大丈夫? 薬持ってるの? 私はもう降りるだけだからこれ全部あげるわ
と言って芍薬甘草湯をくれた
それを飲んだら一瞬、痙攣が消えて
しばらくするとまた再発したけど
なんとか歩き続けることができた
ありがたや

でもなかなかしんどくて景色を見る余裕がなかった
そろそろほんとキビシーなという頃に
種池山荘到着
珍しいオレンジ色の屋根の小屋
11時をまわったところ
振り返ると雲海と雲間に立山とか
見てる間にも雲がどんどんわきあがって
すぐ近くの山が隠れてしまったりした
明日は天気荒れるのにそこそこ賑わっていた
種池山荘ではこの時期限定でピザを焼いているらしい(食べなかったけど)
小屋前のベンチで雲海を眺めながら食事
昨日出発前に買ってたおにぎりとフリーズドライのけんちん汁
上がってくる雲と競うように出発して冷池山荘へ
途中、爺ヶ岳の南峰を経由
眺めは素晴らしかった
雲海を眼下に
空を飛んでいる気分だった
かろうじて雲に呑まれる前の冷池山荘と鹿島槍ヶ岳が見えた
写真撮影の後、出発
途中すれ違う人が猿がいると教えてくれた
20匹くらいという人と5、6匹という人といた
ややすすむとハイマツのなかを
わりと大きな猿の群れが列を作るように
登山道に沿って逆方向へ移動していた
特にトラブルはなく進む
途中で雲に追い付かれ
視界が白一色に
なかなかたどり着かない
どんどん下っていく
すれ違う登山者に山荘までどのくらいか尋ねると
スマホを出してアプリで地図を見せながら
水平の距離で600メートル、高低差で170メートルくらいとのこと
下ったあとまたちょっと登るとのこと
そのあとまた小屋番らしき服装の人とすれ違う
そのあと石碑のところで休憩
冷池山荘は全く見えない

また歩き始めるとポツリポツリと雨のよう
急ぐ
やがて道は階段状の登りに
上り詰めると発動機の音が聞こえてきて
テーブルとベンチ
小さな池
そこが冷池山荘だった
入り口の前でラーメンを食べている人がいた

ストックをしまうのももどかしく
チェックイン
すると突然雨が強まってどしゃ降りに
間一髪
今回は個室ではなく他のお客さんたちとの相部屋
今回は他に一組のカップル(夫婦か)がいた
汗だくだったので着替えて顔などを拭いてから
ラーメンと生ビールを食べた
その間にも雨はバシバシ降って時々雷鳴も
これはどのみち本日中の鹿島槍ヶ岳山頂アタックはできなかったなあと
さっきすれ違った人たち濡れてるだろうなあと
しばらくすると雨がやんだので小屋前のテラスに出てみる
頭に雲を被った鹿島槍ヶ岳と虹が見えた
山で虹を見たのははじめてかも
少し離れた山の斜面にハート型の模様
何だろう?
しばらくするとまた雲がかかってきたので退散

冷池山荘は風呂なし
水は1リットル150円(お湯は200円)
宿泊者には1リットルの無料券がもらえる
洗面の水は飲用不適
口をすすぐのに別に水を買った
トイレは臭いはなく不快ではない
でも温熱便座ではない
また照明が暗いので不安ならばヘッドランプを
小屋のなかは乾燥していて快適だった
食事は普通
味噌汁の味は薄め(夕食はかき玉汁だった)
ご飯は炊き方も含めて美味しかった
お土産に手拭い500円を買った
清涼飲料とかも売ってるけど19時まで
喫茶室(談話室)があってテレビと本があった
夕食後はそこで自前のコーヒーを飲みつつくつろぐ
お酒は飲まなかった
酔うと鼻がつまってよく眠れないから
荷物整理をして19:30頃に就寝
消灯は20:15
よく最近の山小屋は消灯と言いつつけっこう一晩中明るいんだけど
冷池山荘は本当に真っ暗になった

途中目が覚めてもう朝かなと思ったら
まだ23:50
日付も変わってなかった
山のいいところはとにかく寝てられるところだな
日頃の睡眠負債をここで挽回する

夜間にも雨音










(つづく)

コメント (3)
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