夕刻、稲毛をおとなう
着ようと思っていた礼服が
すっかり入らなくなっていたので
あわてて買ってきた
伯父の葬儀以来、着ていなかった
従姉妹は私よりも若いが生まれつき体が弱かったのだ
祖父がなくなってからは少し疎遠になっていた
コロナが流行ってからは尚更
私の母も来ていた
年賀状の写真でしか見たことのなかった亡くなった従姉妹の姉の子供たちもいた
上の子がもう中学生だというから10年ぶり以上か
会場にはおもいのほかたくさんの人
従姉妹の職場の人たち、同級生や学校時代の父兄たちであろうか
これは伯母が常日ごろ築いてきた人との繋がりのためであろう
たぶん自分の葬式にはこんなに人は集まらないだろうと思った
焼香がおわり喪主である伯母からの挨拶で
亡くなる直前の従姉妹の様子を知ることができた
このひと月くらいで徐々に起きられなくなり
甲状腺の機能低下でホルモンの治療をし
服薬を続けていたが
横になりながら漢字のパズルをして
好きな歌を歌って
寝たのかなと思っていたら意識がなくなっていたと
亡くなる前日に久しぶりに職場に少しだけ顔を出して
そのときにいつもは撮りたがらない写真を何故か撮らせてくれて
それが今日の遺影の写真なのだとのこと
会場を去る前に従姉妹を見た
従姉妹は眠るような表情で横になっていた
子供の頃と変わらないような顔をしていた