かつて「北信の石仏・後編」で飯山市瑞穂にある万仏山の観音について触れた。弘化3年(1846)に造立されたもので、飯山に暮らした昭和50年代後半には何度となく足を運んだ、わたしの好きな石仏群だった。瑞穂福島地区の上部に福島神社があり、その脇の三叉路に「第一番」が立ち、ここから万仏岩まで三十三観音が建てられた。映画「阿弥陀堂だより」に登場した阿弥陀堂が、この山道の先にある。阿弥陀堂そのものは映画のために建てられたもの。
この万仏山三十三観音についても、かつて『遙北』第48、49号(遙北石造文化同好会 昭和56年11月29日、昭和57年1月17日発行)へ報告している。
実は先ごろ触れた「フイルムスキャナー」に掲載した写真を撮ったプラウベル・マキナ67を購入して、始めてフイルムを入れて撮った写真が、ここで紹介するものだ。ブローニー判120フィルムの場合、6×7cm判だと8枚しか撮影できない。この最初に装填したフイルムはネガカラーのもので、飯山市五束の道祖神と、この万仏山、そして豊野観音堂の観音の写真が収まっていた。このカメラを持って万仏山を訪れたのは昭和57年6月12日のこと。
やはりネガフイルムはポジに比較すると劣化が進む。とくに色合いについては当時の再現が難しく、35mmにおいてはなおさらだ。それに比較するとブローニー判の方が退色は否めないが、かなり当時のままに表現できそうだ。
ところで、久しぶりにカメラを手にしてみると、フイルムを装填する際の裏蓋の周囲に違和感が。いわゆる内部に貼ってあるスポンジ部が劣化して蓋の周囲に付着しているのである。ほかのカメラも同じように裏蓋を開けてみると、同様にスポンジが劣化して、接触すると指に付着する。知らなかったが、これをモルトプレーンと言うらしい。古くなるとボロボロになり、ベトベトになるという。まさにその症状が、フイルムカメラ全てに起きている。「モルト交換の手順」というものがウェブ上にあった。そこには、
まずは交換するモルトを用意しましょう。新品のモルトはカメラ店や家電量販店などで販売されていますが、とにかく安く済ませたいという場合は100均でも似たような素材のものを入手できます。市販のモルトは修理用にシールのように貼れる糊付けのものや両面テープを使用して貼るタイプのものがあります。
モルト以外で使用する道具は、アルコールやシール剥がし、カッターナイフ、綿棒、両面テープです。これらは「カメラのモルトがどういう状態なのか」、「使用するモルトは両面テープが必要なものなのかどうか」によって変わります。
交換するモルトを入手したら、まずはカメラのモルト状態を確認しましょう。ボロボロの状態なら柔らかいブラシで掃き出します。ベタベタしている場合は、シール剥がしやアルコールを染み込ませた綿棒などで拭き取ることができるので、試してみてください。
市販のモルトは修理用に細かな糊付のものが販売されていますが、両面テープを使用して貼るタイプのフェルトでも代用できます。古いモルトをきれいに取り除いたら、新しく入手したモルトを貼ります。貼る箇所通りにモルトを切り取り、本来モルトが貼ってあった部分に貼り付ければ完成です。
そう簡単ではないようだが、自分でやってみようとは思うが、暇な時間がとれたら、のことである。
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