Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

棟梁送り

2018-06-24 22:18:06 | つぶやき

ネガフイルムの劣化より

 

 この写真はやはりネガフイルムで、35mm判である。初めて買ったカメラ、ミノルタCLEに珍しくネガカラーフイルムを装填して撮影した。ふだんはほとんど白黒フイルムを装填していたのに、なぜかこの時はカラーだった。

 昭和59年4月29日、実家を建て直した際の建て前のもの。ちょうどこの4月に5年赴任していた飯山から自宅に戻った。名目上は兄と父との名義で建て直したわけだが、兄夫婦が家に入るにあたって建て替えることになった。半年ほどかけて建て直された家に入ったのは、この年の秋だったと記憶する。そう考えると間もなく34年となる。フラッシュを使わずに電灯下でそのまま撮影したため、妙に古臭く写っていて、色合いも良くないが、慌てて撮った2枚のうちの1枚である。建て前の後の祝宴の最後に、今ではしなくなった「棟梁送り」の真似事をしたように記憶する。「棟梁送り」とは「三升だる、つかな二重、棟りょうのぼん天、棟に上がったときの草履、その折の法被などを持ち、親類や伍戸の人たちが棟りょう送りをする。棟りょうの家で、持参の酒・さかなで宴を催す。」(『飯島町誌下巻』飯島町 平成5年)というもの。「真似事」としたのは、記憶にはっきりないからだ。しかし、わたしも建築を頼んだ会社までこのあと行った覚えがある。もしかしたら運転手だったのかもしれない。

 写真は「棟梁送り」を前にして、宴の最後に梵天に綱を張って木遣りを建築会社の人たちが歌っていたように記憶する。梵天を支えている一人が兄である。周囲に親戚のおじさんたちの顔が並んでいて、父の姿も…。すでに亡くなった方が何人も写っている。

 


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