お三夜様の終いに、ロウソクをいただいて帰る(伊那市美篶上原)
ところで、上原で特徴的であったロウソクをお守りとして持ち帰る話。実はお産とロウソクの関係もよく知られている。とりわけ京都のお産場稲荷だろうか。ホームページの冒頭に次のように記されている。
お産場稲荷は、「山宮」巡拝(お山すると言われている)の中で、最後にお参りする神蹟で『願いをかけて“お山”して来た事が産まれる場所』として昔から参拝者でにぎわっています。 お産場のこんもりとしたお塚の台地に、昔、神の使者である狐夫婦が土穴を掘って住み、子を宿し、産まれた子狐をいつくしみ、育てる愛情がまこと安らかなものであったそうです。この様な事から「狐神は人の子を守護する」という古い信仰が生まれております。 そして、お産場のお塚も、“子宝・安産”の神様として信仰されるようになりました。
と。そして、「お産場茶屋」の項に「参拝の方はここで和ろうそくを貰って献燈し、お店で用意している小さいろうそくを代わりに持って帰られます。そのろうそくを妊婦の方が分娩室に入られた時に神棚へ献燈する事によって、小さいろうそくの火がなくなる短い時間で「お産」が済むと言い伝えられているからです。」と記されている。上原の例と等しいわけである。
箕面市如意谷にある高野山真言宗宝珠院安産子安観音においても、「古来「功徳のろうそく」は 本堂にて、毎日の勤行に燈され残り短くなったろうそくの事をいいました。そのろうそくは短くなるまでに、多くの功徳を授かっております。そして、陣痛が始まるとそのろうそくを燈し、短いろうそくが燃え尽きるまでに(短時間=安産)無事安産なる事を願」ったとされる。
同様の事例はいくつもウェブ上に見られる。埼玉県南埼玉郡宮代町役場教育推進課文化財保護担当(郷土資料館)のホームページには、「子を授かる」というものがある。「妊娠祈願・安産祈願」には、「子供を授かるため、そして安産のために町内では姫宮神社や東粂原郷地蔵、須賀島の子育て地蔵などに、町外では白岡町上野田の正伝寺開山様、春日部市一ノ割の円福寺、東京都中央区日本橋の水天宮などに参りました。東粂原郷地蔵では小さなろうそくをいただいてきました。お産のとき、このろうそくには火を灯すと燃え尽きるまでに生まれるといわれ、現在も7月24日の灯籠祭りでいただけます。」とある。このようにロウソクとお産を結びつける例は多い。
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