「裏界隈」を歩き飯田駅に向かうことについて以前触れた。そんな裏道を歩いていて以前から気になっていた空間があった。そこには筆書きの「道祖神」が置かれている。いわゆる「神様」なのかどうかは別として、置いた方はそう捉えているのだろう。この裏道にある電柱に吊るされた板に「活性化 赤門へ通うみどりの裏界線 城下町」と記されている。この道の真ん中に境界杭が埋め込まれているから、おそらく公の道ではない。ここでいう裏界線はおおかた写真の奥のように日陰なのだが、この空間ははたまたま南側に建物がないからよく日が当たって明るい。塀の奥を覗いてみると、小さな池があってその脇にはやはり筆書きされた「水神」さんが祀られているし、その横には彫像された石仏も見える。信仰心の篤い方なのだろう。実はここにはもうひとつ「道祖神」が置かれていて、合わせて2体の道祖神がある。もちろんどたらも筆書きで、石は小さいから簡単に移動可能だ。もう1体の「道祖神」は文字上に「○」が書かれていて、写真の道祖神にも「●」が書き込まれている。この●が何の意味なのか解らないが、「水神」にはそれがない。この道を真っ直ぐ東へ進むと吊るされた板に書かれている赤門に通じる。ここでいう「赤門」は通称で、桜丸御門という。宝暦4年(1754)に造られたもので、かつての飯田城にある遺構としては唯一のもの。板の部分がベンガラで赤く塗られているため「赤門」と呼ばれている。
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