仕事の現場で、石拾いをした。水田の整備をするにあたり、耕土が少なかったため、耕土をよそから持ち込んだ。ところが、その後耕起をしようとしたら石が混ざっていて、耕作者から「これでは耕作できない」と言われて、石拾いとなった。搬入した際に、しっかり土を確認していればこのような事にはならなかったのだが、既に耕土を戻してから2年ほど経過していて、当時の関係者に責任を問うこともできなかったことが今日に繋がった。もともと石が多いと聞いていて、春先に様子をうかがった際には、表面に大きな石があるばかりではなく、シャベルを突き立てても硬くて入らないところがあって、耕土中にも多くの大きな石が混ざっているのではないかと想像していた。もちろんこのような状況では耕作どころではない。耕作者が「耕作できない」というのも当たり前だ。
実は石拾いは我が家でもやっている。以前災害復旧で直してもらった田んぼ、直してもらったのは良いが、石だらけ。そもそも水を浸けると崩れそうなこともあるのと、周囲との軋轢もあって、復旧後一度もコメを作っていない。ようは転作状態なのである。それでは災害復旧をした効果があがっていないということになるが、だからといってそのままにしておけば、結局耕作放棄地になってしまう。そういう意味では崩れたら直す、をしていかないと山の中でのコメ作りは衰退してしまう。いいや、それで良いという意見もあるが…。そんな田んぼだが、工事の際に耕土を剥いだ。耕土は長い間の耕作によって作り上げられたもので、農家にとっては命のようなもの。工事によってその耕土がほかの土と混ざってしまわないように、土木工事では耕土を剥いで工事を行うことがよくある。しかし、耕土を剥ぐと、どうしてもほかの土と混ざる。とりわけ耕土の下が礫層であったりすると、剥ぐ際に混ざってしまうことがある。長野県内では礫層の上に耕土があるケースが多く、耕土を剥ぐと石が混ざる、とは当たり前に言われること。したがって工事の際に「耕土を剥がないで欲しい」という農家も珍しくない。我が家でも結果的に耕土を業者が起こした際に石が混ざったわけで、小さなトラクターで起こすと、小さな石でも衝撃が大きい。起こすたびに石が当る。その度に石を拾うのだが、そこそこ大きな石が露出したりする。
さて、今回の石拾い、トラクターで起こした際に石に当ったところを中心に拾ったが、小さな石は無数に混入している。こぶし大以上のものをといって拾ったが、それより小さな石がたくさん。起こしているとロータリーの中で石がガラガラ音を立てているのがよく聞こえる。耕土というよりは砂利を起こしているようなもの。そうした中に巨大な石が混ざっていたりする。標高950メートルという高地ということもあって風は涼しかったが、暑い日中の石拾いは、疲れが身体に溜まりそうな作業だった。
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