Cosmos Factory

伊那谷の境界域から見えること、思ったことを遺します

〝厄年〟その4

2025-02-21 23:27:32 | 民俗学

〝厄年〟その3より

 〝厄年〟その2において男性の厄年について、25、42歳をセットで厄年としている箇所で、加えて25、42歳以外の厄年だけをあえて図化したものを示した。同様に女性の場合も19、33歳をセットで厄年と答えている箇所は255箇所あり、さらに19、33歳に加えてほかの年齢を厄年と答えた箇所が65箇所あった。したがって合わせると320箇所にのぼり、全体の75パーセントにのぼる。またセットではなく年齢だけで割合を見てみると、意外にも最も多いのは19歳の359箇所であり、次いで33歳の337箇所、次いで32箇所を数えた37歳である。ほかに2歳が26箇所、7歳が20箇所などである。ここに男性同様に、19歳と33歳に加えてほかに何歳を厄年と答えたかという図を示してみた。奥信濃に13歳が顕著に見られ、61歳ほかというところが北信域に、同様に北信域に3歳というところも見られるが、上伊那にも数例見られる。また、男性の際に顕著であった2歳が同じように諏訪地域あたりに見られ、男性の図で示した2歳エリアの線を載せてみた。

 

 加えて問題となるのは「37歳」エリアであるが、「37歳ほか」という箇所が4箇所だけ見られる。伊那市から宮田村あたりに2箇所、長野市と信濃町に2箇所見られる。意外に37歳が目立たないのは、19歳と33歳をセットに厄年としている箇所に絞って「ほかの厄年」を図に示したからだ。そこでもうひとつ、33歳は厄年ではなく、19歳は厄年と答えている箇所に絞ってそれ以外の厄年を図化したものが2枚目の「19歳以外の厄年」の図である。すると「37歳」、「37歳ほか」という箇所が下伊那に集中していることがわかる。それと32歳ほかと答えた箇所が県中央部辺りに点々としている。

 

 ここで両者の図を同じ図に示したものが3枚目の図である。当り前に厄年として捉えられている19歳と33歳以外の厄年については地域性がはっきりしていることが図から読み取ることができる。

 

続く


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