月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

還相回向

2009年12月06日 22時42分49秒 | 仏々相念(住職日記)
950キロか・・・

「今朝着きました」
お疲れでしょうに爽やかに答えて下さいます。

奥様を亡くされ、奥様の里であるY市に東京から帰省された。
法要後、直ぐに東京に向けて帰るとか・・・
奥様との思い出の地に寄りながら・・・

喪主様にいろいろな話を聞かせて頂いた。
会社の研修で「内観」ということを体験されたとか・・・
狭い部屋に一人入り、いろんなことを考え反省し清くなって帰る、
というものらしいのです。

清くなるということは理解できませんが
自らを見つめ反省するということは大切なことですよね・・・

日々、生きながら自分の醜さ、汚さ、恐ろしさ等に気付くことがありますが、
それがチラチラ見えるにつけ、
隅の方に追いやり気付かぬふりをしている私・・・
悪いのは他の人のこと、私は・・・

仏縁にふれるということは、そういう私が問題にされることでしょう。
仏さまの光に照らし出されありありと見えてくる。

真っ逆さまに落ち行く私、
必ず救い取るの仏さま・・・
そのまま救うの仏さまの呼び声に、
このままの私が恥ずかしくなってきます。

少しは改まったらいいのですが、なお煩悩が積る私であります。
情けないことです・・・

愛する人を思い、車を走らせるのでしょうね・・・
一緒に聞いた曲、歌った曲、
一緒に眺めた景色、おいしい空気・・・
950キロの中に思い返し、感じながら涙するのでしょうね・・・

私が同じ立場になっても妻との思い出の地に行くでしょう。
そこに行けば、ひょっとしたら・・・
考えただけでも涙が出そうです・・・

ずっと一緒にいて下さいます。               
仏さまになられ、ずっと私を抱きしめて下さっていました・・・

だから、大切に・・・恥ずかしさと共に・・・     




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