月のひびき (徳正寺だより)

“いま”出遇えた一瞬をパチリ
それは仏さまとの日暮らし…

三月終了

2013年03月31日 23時09分46秒 | 仏々相念(住職日記)

コイツって・・・

 

昨晩、息子が見ていたテレビ番組。

途中からではありましたがコイツも食い入るように見ていました。

 

両手両足のないカイルさん・・・

幼き頃よりアメフトやレスリングと挑戦していく。

「すごいな~・・・」って言葉しか出ません。

 

青年になった彼はあったことのない青年の夢を叶えるために「キリマンジャロ」に登山することを決心します。

いくらレスリングして鍛えている身体であっても使う筋肉が違うということで鍛え直します。

 

さぁ、いざ出発・・・

登り始めます・・・

熱帯雨林の気候から砂漠のような気候、そして氷雪と登って行かれます。

 

オレが登って行くんだ!

誰の力も借りず、オレが・・・

そう思って頑張られるのです。

確かにオレが頑張っていました。

その姿は称賛されていい姿だと思えるほど頑張っていました。

 

でも、彼は気付くのです・・・

自分の進む道を切り開いてくれている友がいたことを・・・

苦しさの中に顔を上げると

何も言っていないのに率先して数メートル先を切り開いている姿に出会うのです。

あ~、支えられているんだ・・・って。

一緒に歩んでくれているんだ・・・って。

 

その気付きの中で彼は頂上まで辿り着きます。

共に歩んでくれた友に祝福される姿。

母に電話していました、

「到着したよ・・・ありがとう!」って。

 

やっぱり「ありがとう」なんですよね。

皆が支えてくれるからこそ成し得たんだと・・・

 

自分が登ったんです。

それは確かなことです。

雨が降ろうと岩場であろうと雪であろうと・・・

頑張って登ったのは彼ですから。

でも、それで終わるのか・・・

それともあなたが登り切ってくれと願い支えてくれたからこそ登り切れたと気付くのか・・・

彼の人生の中でも大きなことでした。

 

気付いてよかったよな~・・・

 

さてさて、コイツは言うと・・・

その映像をソファーにフンズリ返って観ているのです。

「お前それでいいのか!」って突きつけられたようでした。

コイツもキリマンジャロに向かってトレーニングするのかってことではなくて、

「今日一日どうだった?」って慚愧したことです。

 

相変わらずのウダウダグダグダのコイツ。

申し訳なかったな~・・・

 

コイツの前を歩んでくださるあなたがいてくださいました。

頼んでもないのに切り開いて下さるあなたが・・・

コイツの手をしっかりと握り共に歩んでくださるあなたが・・・

 

本当に有難いことです。

御浄土で必ず会い歓ぶコイツがここにいます。

そう言える今日を感謝して大切に過ごさせていただきます。

 

三月も終わりですね・・・

如何でしたか、三月。


拒否反応

2013年03月30日 20時15分45秒 | 仏々相念(住職日記)

~しなさい・・・

 

今日の愛媛新聞のてかがみに「後悔」という題で62歳の主婦の方が投稿されていました。

塾の仕事をしながら子どもを育てられたそうです。

仕事の合間に食事の支度をし食べさせていた・・・

だから子どもたちにとってテレビが伽となるのです。

そんな寂しい時が思い出されるからテレビ嫌いな子どもたちなんだそうです。

 

最近のままごと遊びでは母親役が失われているとか・・・

子どもの話を聞く母親ではなく、親の言うことを聞かせようとする母親が多くなり

「お母さんのようになりたくない」という拒否反応が出ているとか・・・

寂しいことです。

 

このお母さん、「~しなさい」の連呼だったとか・・・

 

今の私ならとびっきりのお母さんになれるのにな・・・

人生うまくいかないものだとつくづく思う。

 

と結ばれていました。

 

コイツの息子なら言うだろうな~、「今からとびっきりのお母さんになりんさい!」って。

コイツもそう思います。

気付いてよかった・・・

気付いてそこからまた歩ませて頂いたらいいんだと思うのです。

 

生きていかなければなりません。

きれいごとでなく生きていかなければならないのです。

子どもたちを育てんがために何かを犠牲にしつつ・・・

寂しい思いをさせつつも・・・

 

日々の忙しさに気持ち的にいっぱい、いっぱいになるのでしょうか・・・

それとも、自分の大きな夢を子どもに託してしまうのか・・・

より良い人生を歩んでほしいからなのか・・・

他の子どもと比べてなのか・・・

自分のプライドを飾るためなのか・・・

「~しなさい」

 

でも、言われる方はたまったもんではありません・・・

しんどかったと思うのです・・・

そう言われ歩んで来た子どもの人生はどうだったのでしょう・・・

 

後悔があるのであれば改めたらいいのです。

「申し訳なかったね~」って。

 

今日から・・・


弥陀之心

2013年03月29日 20時02分24秒 | 仏々相念(住職日記)

帰れよ・・・

 

阿弥陀さまの御心は親心。

とってもあったか~い御心なんですよね。

そんな御心に出遇える人生であってほしいものです。

 

長~い春休みもいよいよ後半。

これぞウチの空気と言わしめる娘の存在。

賑やかにしてくださいます。

また来月になると寂しくなります。

 

今日で家を出て丸々2年目・・・

すっかり慣れたのでしょうね、こちらも何となく安心してます。

人生の先輩のご門徒が、「すぐ慣れるから・・・そのうち、又帰るんかって言うようになるよ。」

そんなもんかな~って聞いていましたが、

まだ慣れないにしてもここにいない日常の過ごすリズムが定まってきたりもしています。

 

当時、娘をおいて帰るまでは、

あ~だこうだと言っていました。

こうせんといけんよ・・・

ああせんといけんよ・・・

しつこいくらいに言っていました。

 

でも、別れる時はやっぱり辛くて・・・

「いつでも帰っておいでよ・・・」って言っているのです。

内心は一緒に連れて帰りたい思いいっぱいに・・・

帰れよ・・・

帰れよ・・・

その思いいっぱいに接していくのです。

 

捻くれて考えるとコイツの為なんです。

寂しがるコイツの為に・・・

どこまでもそうでして・・・

情けないことです。

 

阿弥陀さまは願ってくださいます・・・

こうもすれば喜ぼうか・・・

ああもすれば喜ぼうか・・・

何度も何度も呼びかけて下さいます。

すべてはこの浄土に帰ってほしい一つの為に・・・

何もかもすべて整っているこの浄土に・・・

南無阿弥陀仏の御呼び声となり「帰れよ」と至り届いて下さるおはたらき。

 

至り届いとって下さる・・・

いまここに至って下さっているのです。

ゆさぶり通しにゆさぶって下さっている・・・

「おい!ここにおるぞ!ここに・・・」って。

 

我が称えるお念仏ではありますが、

「帰れ」の親心に出遇いつつ、

我が帰る御浄土があったことを気付きながら

この人生、歩ませて頂こう。

 

辛いことの多き人生でありますが、なんと心強いことでした。

 

さあ、一緒に御念仏申しましょう、

「南無阿弥陀仏、南無阿弥陀仏・・・」


桜之季節

2013年03月28日 20時46分44秒 | 仏々相念(住職日記)

この季節になると・・・

 

卒業のシーズンもそろそろ終わりでしょうか。

早咲きの桜花を見上げつつ輝く今を感じられたことでしょう。

今年の春、廃校になった中山高校。

ご縁いただいた帰り道、あまりのきれいさにニコニコをバス停に止めパチリ!

どれだけの方々がこの桜を見ながら巣立って行かれたのでしょう…

いろんな夢を胸に・・・

国道沿いのこの学校も寂しくなります。

 

今春、卒業を迎える筈だった息子さんのご縁をいただきました。

久しぶりに会うご両親にも笑顔が戻っていました。

辛いご縁でしたが毎日このお内仏に向かい涙されてきたのでしょう。

静かにお立ちのお姿に手を合わしつつ・・・

 

「先生と生徒さんがここで卒業式をしてくれたんです。」

「あ~、それはいいご縁でしたね~・・・

優しい先生や生徒さんがおられたのですね・・・」

いっぱい涙されたことでしょう。

その証書もお内仏さまにお供えされていました。

 

ご縁の後、予定もなかったのでゆっくりお斎をいただいたことです。

日常の話・・・

家族の話・・・

そして、息子さんの話・・・

こんなコイツにプライベートな大切な思い出を話してくださいました。

泣くやら、笑うやら・・・

優しい空気が流れます。

 

「この季節になると思い出すんです・・・」切なくも優しい笑みを浮かべ語って下さる奥様。

「桜が咲き始めたよ・・・Y!」って。

一緒に桜の季節を感じたのでしょう。

そんな経験されておられる方、多いですね・・・

桜花の儚さの中にやっぱり自分を、大切な人を見ていくからなのでしょう。

 

では、そろそろ・・・

皆さん、ニコニコのところまでお見送りくださいます。

次は7年忌ですねって・・・

 

快調すぎる程に走ってくれるニコニコ。

カタカタコトコト・・・

ちょっと遠距離を、カタカタコトコト・・・

 

帰る途中、中山の国道沿いにある遊栗館に寄ってみました。

桜がもの凄くきれいです。(っていうか、ニコニコがメインでパチリ・・・)

ゆっくり桜を感じることなんてないコイツが立ち止まるのです。

余程、今日のご縁の余韻が残っているのでしょう。

 

今を感じたい・・・

 

一輪一輪が自然の恵みに感謝するように、

「ありがとう!」の香りを、光を放っていました。

その中にコイツも混ぜてもらって・・・

ゆるやかな風が桜の香りと一緒に頬を撫でます。

大切に生きよと頬を撫でます。

 

川には止めどなく水が流れています。

国道には多くの車たちが行き交います。

空には・・・

 

みんな、願生ろう!

大切に願生ろう!


お花見のはなし

2013年03月28日 13時51分31秒 | ふうわりふわり(坊守日記)
昨日1日降った雨もあがり、春らしいやわらかな陽射しが注ぎます

満開の桜も雨に散らずにきれいに咲いています

「もし明日桜が散っていなかったら、お弁当をこしらえてお花見しよう!!」

と、昨日娘と話していたので、約束通りにお弁当を持ってお花見!お花見!

お弁当は、玉子焼きと赤いウインナー、豚バラのカリカリ焼きとにんじんのグラッセ、松山フランクにイチゴなどなど…あっ、忘れてならない、特大おむすび!

あり合わせですが、わが家の定番のメニュー、娘にとっては「テッパン」です!

「美味しいね~」

ぱくぱく

「美味しいね~」

ぱくぱく

「桜、きれいね~」

ほのぼの

ほ~ほけきょ

のんびり


満開の桜の向こうに広がる青空を見ながら…

足下に咲くちいさな草花を見ながら…

おだやかなひと時を過ごしました



お茶はルピシアの「さくら焙じ茶」…桜の薫りで美味しいお茶です