就活鶴丸ゼミ・社会人基礎力養成講座

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社会人基礎力養成講座

憲法問題を知るものはマスコミを制す!

2008年04月04日 18時42分26秒 | 小論文キーワード
憲法を制する者はマスコミを制す!保存版

小論文に必要な能力は3つです。

1.読む⇒読解力=現代文の力         1.2.3.のベースになるのが

2.考える⇒論理的思考力                 ⇒知識

3.書く⇒文章表現力=構成力

知識を習得するには「そのまま使えるキーワード2500」が最適でつ。

マスコミ・公務員受験生諸君に奥義を直伝しまつ。小論文で合格答案をかきたければ、

キーワード2500にある

[意味][解説][知識][着想]

4つのフレームワークを通してしか書かない訓練をすることでつ。あとは書いても加点の対象にならないとわりきりましょう!

今日は現代社会の諸問題をについて、鋭く、分析的に、書けるよう、語れるよう、
憲法問題をテーマに取り上げます。

なぜ国民主権なのか?なぜ民主主義なのか?なぜ三権分立なのか?

なぜインフォームドコンセントなのか?なぜカルテ開示なのか?なぜチーム医療なのか?

憲法の特質を理解すれば、もう試験で戸惑うことなく、自信ももって主張できるでしょう!

☆憲法問題

[意味]  国民の生き方や国家のあり方を定めた現行憲法の,前文・人権・統治機構の改正にまつわるさまざまな問題.

[解説] 今日のさまざまな憲法問題を考えるとき,まず憲法とは何かを理解しなければならない.日本国憲法には大きく3つの特徴がある.

①自由の基礎法・・・13条の「個人の尊重」を中核として,一人ひとりの個人の自由を守ることを最大の価値とする自由主義の価値観に基づいて定められた国家の法である.立憲的意味の憲法とも.→ロックの自然権

②国家権力を制限・・・自由主義を前提として,そのために国家権力に歯止めをかける.

③最高法規・・・国民の自由を守るために国家権力を制限するということは,憲法が国家権力より上位にあることを意味する.そして最高法規とは,条約,法律,命令,処分などあらゆる法規範の中で憲法が最も強い効力をもつ法だということである.条約や法律の内容が憲法とぶつかった場合その条約や法律は無効となる.→違憲立法審査権

憲法とは「国民の自由と人権を保障するために,国家権力を制限するものである」と定義することができる.そして,今日憲法問題というときには,この憲法の特質にかかわるさまざまな問題のことを指す.

[知識] もともと憲法問題といえば,9条改正の是非を指す場合が多かった.平和憲法の精神から戦争放棄・戦力の不保持・交戦権の否認を明記していながら,自衛隊が存在していることの矛盾をどう解決すべきかが長年の課題だったのだ.改憲の立場をとる自民党と護憲の立場をとる旧社会党との対立が長く続いた.このような構図の中政府見解では,憲法を尊重するとしながらも,自衛隊は「実力」であって「戦力」ではない.自衛のための最小限度の「実力」は憲法で禁じられている「戦力」にはあたらず合憲であるという立場をとってきた(解釈改憲).
そして,その時々の国際情勢を見ながら解釈改憲を繰り返し,PKO協力法やテロ対策特別措置法,さらにはイラク特別措置法を成立させてきた.

だが,今日の争点は,9条以外にも前文・人権・統治機構に関わる規定など全般にわたる.国際情勢や社会生活の変化により,「時代にそぐわない条文の見直しが必要」との意見が高まってきているのだ.そのため国会には2000年1月,初めて衆参両議院に「憲法調査会」が設置され,憲法に関する諸問題の議論を開始.
衆議院は,2005年9月,憲法改正の「国民投票法」について審議するため,憲法調査特別委員会を設置.国民投票法は2007年成立.

[用例]  現行憲法をめぐる主な争点を列挙する.それぞれの問題は,解説で説明した憲法の特質に照らして考えた時,その条文を改正することで,より国民の自由と人権を守ることになるのか否かという視点から理解を深めていく必要がある.
1. 前文.戦後は個人の権利ばかりが主張され,公共心や日本人の美徳が失われつつあるという現状を憂慮して,前文に愛国心や日本の歴史・文化の大切さを明記すべきではないか.
2. 第1章.象徴天皇制の見直し論.国民の象徴という曖昧な表現ではなく,元首として明確に位置づけるべきではないか.なお現行憲法では皇位を世襲することだけが明記され,天皇の性別についての規定はない.(女性天皇を認めるには,皇室典範@を改正する必要がある.)
3. 人権.より確実に個人の人権を守るためには,憲法制定時には存在しなかった概念であるプライバシー権や環境権,アクセス権,知る権利などの「新しい人権」について規定すべきではないか.
4. 立法.参議院の扱い.二院制を採用しているにも関わらず,同じような議論しか行われず,相互のチェック機能が働かない現状では,参議院は廃止すべきではないか.
5. 行政.「首相公選制」の導入を求める声がある.国民が直接投票で首相を選び,民意を反映したリーダーシップにより迅速な意思決定を図るべきではないか.
6. 司法.違憲審査権のあり方.戦後,最高裁判所は法律に対する違憲判決を7件しか出していない.そこで,より積極的な役割を果たすべく違憲審査を専門に行う憲法裁判所を設立すべきではないか.→司法制度改革
7. 現行憲法には戦争や軍隊に関する規定が何もない.そこで非常事態に関する事項を規定すべきではないか.

[着想]  様々な憲法問題を論じる際の思考の出発点として,憲法の頂点に13条の個人の尊重という価値観があり,その価値観に基づく人権保障の体系としての憲法の構造をイメージしておく必要がある.

つまり,個人の自由と人権を保障するために⇒目的
国民主権・民主主義という制度があり⇒手段
統治機構(国会・内閣・裁判所)の権力分立がある⇒手段
と考えていくのである.
例えば,首相公選制の是非を論じる際⇒手段
現行の議院内閣制と比較して⇒手段

より国民の自由と人権保障という目的に適うと考えていくのか否か,という

「目的に対する手段」という視点からの記述を心がけたい.

[注意] 国の水俣病や薬害エイズ,アスベスト対策などに見られるように,「憲法は国民の自由と権利を保障するため国家権力を制限する法である」というのは「べき」という規範(きはん)であり,現実の社会と憲法の理念は乖離(かいり・かけはなれていること)していることがある.現実の世界は「である」の世界であり,憲法は理念としての「べき」の世界である.この現実と理念との緊張関係を踏まえたうえで,現実を理念に近づけていくという視点からの記述を心がけたい.

[関連] 司法制度改革・人権・死刑・少年法・自己責任・ネオリベラリズム・情報公開