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就活鶴丸ゼミ・社会人基礎力養成講座

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マスコミ受験生必見!ブッシュとキリスト教右派→ネオリベ

2008年04月08日 03時29分56秒 | 小論文キーワード
☆新自由主義(neo liberalism)

[意味][解説][知識][着想]の4つのフレームワークを通してしか書かない訓練をすることです。あとは書いても加点の対象にならないとわりきりましょう!
詳細は「そのまま使える小論文キーワード2500」(学研辞典編集部)参照

[意味] 政府の積極的な民間介入に反対し,個人の自由と責任に基づく競争と市場原理を重視する経済思想.新保守主義と同義.

[解説] 新自由主義とは,政府の経済への介入を抑制し,規制緩和を推進し,
従来政府が担っていた機能を民間に委ね,小さな政府を実現していこうという考え方である.
経済面において政府による市場介入を認め,所得再分配により,平等と福祉の権利を尊重するという
それまでの福祉国家的リベラリズムの行き詰まりから,1980年代にイギリス、アメリカで台頭した.

1971年のドルショック@を契機(けいき・きっかけ)とする変動為替相場制@への移行や,2度にわたるオイルショック@(1973年・1979年)により,イギリスでは英国病といわれる慢性的不況に陥り財政赤字が拡大し,
アメリカではベトナム戦争後の経済政策の失敗により,スタグフレーション@が進行し,失業率が増大していく.
このような状況の中,両国では国家による市場経済への介入政府部門の肥大化が不況の原因だと考えられるようになり,それまでの福祉国家の理念が修正を迫られることになる.こうして新自由主義は登場する.
イギリスではサッチャー政権による「サッチャリズム」,アメリカではレーガン政権による「レーガノミクス」の下,
減税による生産力の増強,小さな政府の実現,規制緩和が進められ,経済の活性化が図られた.

また,中南米諸国でも累積債務問題に対処するため,
IMF(国際通貨基金)・世界銀行主導の構造調整計画を推進するうえで,
市場原理に基づく新自由主義への転換が進められ,経済の回復と安定に一定の効果を示した.だが、市場原理は弱肉強食の世界であり,経済的自由競争は弱者と強者との二極分化を進めていく.

アメリカでは90年代になると,空前の好景気を迎えたものの,国民の大部分の所得はむしろ減少した.国民のわずか1%に過ぎない人たちが富の約半分を持つ社会となった.
自由競争と市場原理を追求した結果,アメリカでは富の偏在をもたらし,多くの国民の自由を奪うこととなった.
中南米諸国でも,所得格差の拡大や貧困・失業率の高止まりなどにより失望感を高め,反新自由主義の潮流を生むこととなり,90年代後半には,市場原理を重視しつつも,教育・保険・貧困対策などを推進するため,国家の役割を見直す考えが広がっていった.

日本の新自由主義

日本では80年代に中曽根政権下において行政改革が進められ,
国鉄はJRに,電電公社はNTTに,専売公社はJTに,それぞれ民営化された.
これが日本での新自由主義の現れであった.
だが,日本で真剣に検討され始めたのは,90年代になってからのことである.
バブル崩壊し(1991年),平成不況によりデフレ・スパイラル@が進行し,
旧大蔵省が「財政危機」を宣言する(95年)頃になると,

大量の赤字国債発行@の問題や,少子高齢化@の問題が,国民の目にも明らかになってきた.
こうして,80年代に新自由主義を採用したイギリスやアメリカに遅れて突入した深刻な経済不況を打破するため,

日本でも小泉政権下で,膨大な支出を伴う政府主導の「大きな政府」から「小さな政府」への転換が図られ,
郵政民営化@をはじめとするさまざまな構造改革@が進められていく.
この「小さな政府」の基盤となっているのが新自由主義思想である.

だが,新自由主義により産業・金融・雇用など幅広い分野で規制緩和が行われ,
市場原理を推し進めた結果,
今日の日本では「勝ち組」と「負け組」の所得格差拡大が社会問題化している.

また生産効率を追求するあまり,低賃金で解雇しやすい派遣社員やフリーターが増加し,もはや国民の間の中流意識は崩れ,競争に敗れた「負け組」による下流社会の拡大を生み出している.

従来の福祉国家の下では,社会的弱者を守るセーフティネット(安全網)としての社会保障制度@が整っていたため,一定の生活レベルが保障されていた.

だが,深刻な財政赤字解消のため,今日では国の社会保障制度そのものが危うくなっている.このまま闇雲に経済的自由競争を進めていけば,格差が新たな格差を生み,国家に対する国民の「信頼」は失われかねない.それはモラルの低下にもつながっていく.

国民ひとりひとりの「安全」と「安心」をいかに確保していくのか

が,今後の重要な政策課題となる.

[知識]は次回に続く!