あまり外車を整備することは少ないのですが、車検と同時にタイミングベルト・ウォーターポンプの交換作業を依頼いただきました。基本的に当社の方針としては、補器類を外すのだから、タイミングベルトだけでなく、ウォーターポンプやオイルシールなども交換するようにお客様にお勧めしております。ですが、この車の場合、オイルシールについては純正部品しか設定が無く、部品代だけで一個5200円ほどします。クランクとカムで10400円になります。しかも納期が1週間ぐらい必要です。ということで、オイル漏れを診断させてもらってから交換作業を実施することにしました。(結局、ベルトとウォーターポンプだけ交換)
ワーゲン系のエンジンの場合、テンショナ―ベアリングが何種類かあるらしいですが、今回の場合、雄雌の切り欠きを合わせたポイントでセンターナットを締めこむといった方法になるようです。締めた後、クランクを回すと多少ずれてきます。ベルトの経年伸びを考慮してテンショナ―がベルトを抑え込む方向に移動して来るしくみですので、なので、重要なこととしては、抑え込む方向の移動代に余裕を持たせた位置にセットすることです。クランクを回してみて切り欠きが常に抑え込む方向とは逆側の範囲にいるように調整すればOKです。下の写真では、抑え込む側にある状態です。凸矢印がもうチョイ右、というか凸矢印と凹矢印が重なるぐらいがよいと思います。
あと、それまでの難関としては、No3マウントの脱着です。ボルト頭が16mmと普通ではないうえに、エンジンの吊り高さを調整しながらボディー側の袋構造に工具を入れて回さないといけません。またその下側にあるボルトも同じく工具が入りにくい。少しずつ回していくので時間がかかります。慣れてしまえば問題ないと思いますが、輸入車は緊張します。
そんなこんなで作業完了しました。車検と同時でやらせていただきましたので、工賃は16000円ほど頂戴しました。(ウォーターポンプ交換工賃も含む)