愛犬

愛犬が死んで３年くらい経つかもしれん。
ワシは犬を家の中で飼うのはイヤなんで、ずっと外で飼っていた。
しかし夜だけは家族の思いもあって、玄関に入れたケ-ジの中に
マットを敷いて、冬は毛布を与え、翌朝には散歩が済んだら
外の高床式犬舎に移動させておった。

毎朝、起床して階段を降りるときにケ-ジの中から迎えてくれる愛犬がいた。
ずっと階段の上を見上げて『おはよう！』と言うとるようじゃった。

愛犬が死んでからは玄関にケ-ジを入れてないが、
玄関に何か置いてあると、それが愛犬のいるケ-ジに見えて
まだ朝の挨拶をしてくれているように見える時があるのよ。

ワシの好きな日本犬じゃあなかったが、可愛かった。
死んだ時の悲しさがイヤで女房殿と話し合って、もう飼わないことにした。

ここいらでペンを置くことにしたい。