魚釣り

昔はこの季節になると山陰の海へ磯釣りによう行ったもんじゃ。
港から小さな磯へ渡してもらって日の出から昼ごろまで釣って帰る。
周りは大物狙いの本格的な磯釣りじゃが、ワシは雑魚釣りなのよ。

キジハタが釣れれば御の字で、連れた日にゃあ大満足で帰ったもんじゃが、
これが幻の魚で、なかなかお目にかかれないのよ。
自分のポイントがあって、その磯へ渡して貰うたら、いつもそこで釣っていた。
長年そこで釣っているんで、海の底の様子も手に取るように分かっていた。

最近、船釣りなんかに誘われて行くと、船頭が魚群探知機を搭載した船を持っとるんじゃね？
それは客にたくさん魚を釣って欲しいけぇそうするんじゃろうが、ワシから言わせたら邪道じゃね。
ベテランの船頭は自分の経験からポイントをいくつか持っていて、そこで客に釣らせる。
経験の浅い船頭は魚群探知機に頼らざるを得んのじゃろうが、
そこまでやったら、大海原を相手の釣りが，機械頼りの釣り堀になってしまう。

魚礁保護の意味からも観光釣り船への魚群探知機搭載は法律で禁じて欲しい。