見舞い

友人の見舞いに行ってきた。
年末に病に伏して３度目の訪問じゃ。
すい臓癌を患うておるのに、なかなか抗がん剤治療が出来ないでおる。

院内感染でインフルエンザにかかったり、胆管に転移しとるためのバイパス手術で
なかなか出血が止まらなかったり、高熱が出たりと不運が続いた。
今回の高熱は敗血症から生じた熱らしいが37.4℃まで下がったと
連絡があったんで様子を見に行ってきた。

ワシは見舞いに行っても病室や面会室でも大笑いして帰る。
沈み込んだ本人と奥さんに、昔一緒に子供たちを連れて行ったキャンプの話や
海外旅行に一緒に行った懐かしい話などして。必ず友に笑顔をさせて帰る。

様子を見に来た看護師の実習生を冷やかして一緒に笑い、
元気になって、みんなでまた一緒にメシ食いに行こうと笑う。

こんな彼には禁句の話題かもしれんが、死後の世界の話もするのよ。
彼とは若い頃、そんな話をしたこともあるし、そんな本に凝ったこともある。
彼の奥さんがあきれるくらい、そんな話をして
『もし、この病気でお前が死んだら、ワシは羨ましいよ』
『なぜなら、ワシより先に死後の世界を見れるじゃんか』
と今日も笑い飛ばして、精一杯のエネルギ-を与えて帰った。