でもね

昨日小さないいことがあったの

診療所の待合室にいたら

見知らぬおばあちゃんがこれあんたもつことくれ
て
手縫いの巾着くれたの

88歳の記念に作ったんだって
米寿てやつやん
すごいなあ
まだ目がいいんやね
縫い物できるなんて

なんでこんな見ず知らずのわたしにくれたんだろう

不思議

でもうれしかった

ほんとに

わたしもおばあちゃんみたいな歳になるまでいきれたら
なにをして暮らしてるかな
どこにいてるかな

おばあちゃんみたいに目がまだよかったら熊を作って
そうだ
見ず知らずの若い女性に渡そう

幸多かれ
いつまでもわたしみたいに元気で頑張るんやで
て祈りこめて

おばあちゃんにくらべたらわたしはまだ半分しか生きてない
まだまだひよっこだ

頑張れ
て
天の声なんかな

ありがとう
おばあちゃん

やっぱり

夢なんていい夢悪い夢なんかない

他言したからかな

ツバメも小鳥も
なんにもならなかった

いま
こんなに悲しく寂しいもんな

なんかいいこと
ないかな

ないよね

いいことなんかないんや
この世には

そうおもうしかないかな
あの夢はどうなるんだろう…