児童生徒 学級 学年 学校の取り扱い説明書

教育のことや子育て 不登校問題への対応等について、考えてみます。

事例研究方式を利用して進路指導を行う

2024-08-29 17:01:03 | 学校での活動について
お世話様です。

前回は進路指導の具体的な実践事例として、事例研究の方式を活用した進路指導の例をご紹介させていただきました。
少し理解しにくい部分もあったかと思いましたので、今回は、その補充的な意味で事例研究という活動の意味や意義について触れてみたいと思います。

事例研究はいろいろな場所で行われていると思います。いわゆるケーススタディーですね。
このような事例(ケース)の場合は、どのように対応したらよいのだだろうか、いろいろな面から考えてみてより良い解決法を探すというような活動だと思います。
医療や介護の面では、事例研究を行うことが必須のことでしょうし、教育の分野、特に学習指導、進路指導、生徒指導などの分野では、やはり行うことがとても大切なことと思っています。
企業活動の分野でも、各種の問題が日々生じることが多いでしょうから、その解決を目指しての活動として事例研究を行うことが大切だと思っています。

教育の分野では、児童・生徒のさまざまな発達上の問題が次々に生じて、日々解決を求められることばかりですので、やはり事例研究を十分に行って、似たような事例への対応を、ある程度マニュアル化できれば、対応がとてもやりやすくなるのではないだろうかと思っています。
事例研究を数多く、継続的に行っていれば、ある程度ではありますが、事例に対応するための共通項のようなものが見えてきて、例え違う生徒の違うような問題と思えても、対応方法は共通しているなと思える部分があって、とても対応しやすくなります。
と言いますか、事例研究が積み重なってくると、問題を意識した時点で、どのように対応していけばよいだろうかが自然と見えてくるようになりますので、やはり事例研究を継続的に積み重ねて行っていくことが一番大切なことと思います。

とは言え、現実の学校の中では、毎日の仕事の多忙さもあって、事例研究があまり行われないのも現実です。
と言いますか、我が国の教職員の育成課程にあっては、事例研究を実際に行って経験するプログラムがないので、教員になっても事例研究の言葉の意味も、意義や役割も、やり方もほとんど浸透していないのが現実かと思います。
従って、学校の中ではほとんど事例研究は行われません。一部では、進路指導、生徒指導等に関心を持っている教員が、個別の研修の過程で、事例研究の意義に気が付き、いわば仲間内で細々と行っている程度というのが現実かと思われます。

 教員は専門職であると位置づけられながら、専門職として必要な科学的知識も十分には身につけずに、心理学の知識も乏しい中で、人間である児童生徒を扱っているのが現実かと思います。
 ですので、いつまでたっても、教育活動の中から精神主義的な部分が抜けきれずに、経験主義的で、根拠の乏しいと思われる指導が引き続き行われていると思われます。

 話を戻しますが、事例研究はそんなに難しいものではないと思われます。やり方を身につければ、いつでもどこでも有効的に行うことができると思います。

 事例研究には、一定のステップあると思われるのですが、それは前回の中で触れておきました。しかし、そのような難しそうなステップを踏まなくても、もっと簡単できる方法として、簡便法、誰でもいつでもできる、個人で行うこともできるし、集団やグループで行うことでより効果が期待できる、簡単なやり方があると思って、従来から、簡単な事例研究の方法、簡便法を自分自身では活用してきました。
 ネットで紹介するのも今回が初めてです。丁度進路指導の内容でしたので、紹介してみるかと思って前回アップしたわけです。

簡便法ですから、誰でもできなければならないと思いますので、研究のステップを少なくしています。事例理解のための資料収集も最小限でできるようにしています。個人でもできます。しかし、グループ等でやればさらに多くの意見が出て内容が充実すると思いますし、良い解決法が見つかる可能性が高くなり、実践できると思います。

それから一つ記すのを忘れてきましたが、従来の事例研究法では、研究対象の事例を誰かが考えてまとめて出すことが求められています。事例をまとめ、文にするのは大変なことです。出す人は本当に気を使います。出したのはいいけれど、何か言われるのではないか、指導が悪いと思われるのではないか、自分の評価が下がるのではないかと思うと、ついつい事例研究はやりたくないと思ってしまいます。そのようにならないために、日常のどこにもありそうな問題を提起して、その背景や対応の方法を考えて、具体案を出す。そしてみんなで実践してみる。そんな意味での簡便法です。

事例の例は何でもいいです。こんな生徒がこんな状態です。例えば学習意欲の低い子がいて困る、欠席が多くなってきている生徒がいる、進路決定の時期が近付いているのに何も行動しない子が多い。等々、身近にあるものをその場で出せばいいわけです。
まあ少し事前に、ある人等に、口火を切ってね等と頼んでおけばいいかと思います。

それで、始まったら、次の手順で考えていきます。
1 この事例の問題は何か
 例えば学習のことなら、意欲が低い子がけっこう多くいる、進路なら進路が決められない、等
2 なぜそのような問題が発生しているか、問題の背景は何か、
 学習意欲なら、学習意欲が低いのはなぜか、進路が決められない背景は何か、等を考えてみる。
3 じゃあどうしたらよいだろうか
 状態を改善するために何かできることがあるだろうか。現実的に打てる手があるか、考えてみる。

以上の3つだけですね。問題は何か、なぜ問題は生じているか、対策は何か、これらを考えてみて、できることをやってみる、それでまた次回に事例研究をしてみる等で課題の解決に近づく。そんな感じの方法です。
個人でも、心の中で行っていくといいと思います。いろんなところに応用が利くと思います。

そんな感じで、事例研究の簡便法について触れてみました。
見ていただいてありがとうございます。またよろしくお願いいたします。
 



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