
お客さんに、たまに聞かれることに
「長年来の庭木を伐採したら罰が当た
るのか」という事なんですが、そんな
こと植木屋には解るはずもなく、罰な
んか当たりませんよと答えます。
そもそも、家人が勝手に植えたもんだ
から、処分する責任は家人にあります。
それに、誰が誰に罰を当てるかという
ことで、神仏は一々そんな程度のこと
には干渉しないでしょう。
嫌だ嫌だと思ってる自身の怒りや邪心
が自分自身を焼くという、仏教的知恵
を知らない無知が、罰が当たると思わ
せるのかも知れません。
そんなもんで、亭主が死んでようやく
嫌な木を伐採した時の婆様の清々しい
顔を何度も見ている剪定屋さんとして
は、そう答えてしまうのです。
ところで、集団で維持してきた記念樹
や大木はどうかといいますと、触らぬ
神に祟りなしです。多数決で伐採が決
まっても少数派の恨みを買う恐れがあ
るからですね。
人間以外の諸霊も存在するからね。
まあ、木も生き物なので伐採するとき
は、御免ねと呟いてから伐りましょう。
決して、此畜生という思いで伐っては
いけませんよ。
ではでは。